100ft フィルム巻から何本取れるのか?

 100ftの長巻からフィルムが何本とれるのかは、人によっていろいろ違っている。上限が21本、下限が17本ぐらいの感じ。フィルムローダと使い方によって違うのだろう。
 私が使っているAPのフィルムローダはもともと20個のパトローネとセットとなっているため、20個取れるような仕掛けがしてあるようだ。私の場合、面倒なので写真の左上のフィルムカウンターが一周回るたびにパトローネを替えている。その場合、153cmぐらい巻いていることになるようだ。これで20個と少し余る。


 フィルムの一コマのサイズは約3.83cm(23cm/6枚)。36枚で138cmとなるので、予備が15cmある。しかし、カメラのカウンターに合わせて”1″番のコマから撮影すると通常34枚しかとれていない。したがってあと2コマ分の8cm足りないことになる。36コマ撮るには161cmぐらい必要ということになる。

 30.5mで20本取るとなると、1本当たり153cmとなり、APのカウンタ-とほぼ合ってることになる。別のローダでは、36枚の場合、パトローネの巻き込みを30回まわすという指示があるが、これもやってみるとほぼ153cmとなる。したがって、フィルムローダの仕様としては、30.5mで20本とることを基本にしているようだ。36枚撮りたいのであれば、もう1、2回(1回で約6cm増える)まわす必要がある。その場合、取れる本数が1、2本減ることになる。若しくは、-1コマ目と0コマ目も撮ってみれば、今後使えるコマかどうか分かる。(自動で巻き込んで1コマ目から始まるカメラは無理だけど。)

KODAKダブルX B&H経由の購入のメリットは?

 コダック国内販売の価格は現在49,753円。B&Hでの定価は344$、輸送費入れて372.87$。レートを計算すると133.4円。したがって、現在のレートではメリットなし。

 では、1000ftで考えると、国内価格は124,399円。これは49753 x (10/4) = 124,382円から算出されていると思われる。よって1000ft買いも国内販売品はメリットなし。B&Hでは、定価は825.95$、輸送費入れて866.09$。レートを計算すると143.6円。したがって、8%ぐらいのメリットはあるが、長巻10巻分なのでグループで購入する以外これもメリット無し。  

2インチコアにフイルムを巻いた場合の直径

【以下の記事はフィルムの実物に基づき2023/10/02に改訂した。】

コアにフイルムを巻いた場合の計算をしてみた。
(フォントの関係でπ(パイ)とnが同じにみえてますが・・)

フィルムの厚さ:t[mm]
コアの外径:d[mm]
巻いたフイルムの長さ:L[mm]
巻いたフイルムの外径:D[mm]

なおコダックの資料によると、
https://125px.com/docs/unsorted/kodak/EN_ti0912.pdf
によると、kodak double Xのフィルムの厚さは0.114mm
とあったが、実際には別のタイプのDouble Xだった。

厚さを0.114mmで計算した場合、400ftで142mmの直径であるはずだったが、
Double x 5222の実物は160mmぐらいあった。
これから、フィルムの厚さを逆算して0.145mmと仮定した。

一回卷く毎の長さは、
L1=πd
L2=πd + π(d+2t) = π(2d+2t)
L3=πd + π(d+2t) + π(d+2x2t) = π(3d+2x(t+2t))
L4=πd + π(d+2xt) + π(d+2x2t)+ π(d+2x3t) = π(4d+2x(t+2t+3t))
したがってn回目には、
Ln= π(nd+t+2t+3t+ – – + (n-1)t)=π(nd+2xtxnx(n-1)/2)=nπ(d+tx(n-1))

ここで、フィルムの厚さはt=(D-d)/(2xn)なので、関係式は以下となる
Ln=nπ(d+tx(n-1))=nπ(d+(D-d)/(2xn) x (n-1))≒nπ(D+d)/2

① コア25mm(1インチ)に100ftフィルムフィルムを巻いた場合の計算は以下となる。
  Ln=nπ(d+tx(n-1))より、nに対する2次方程式となる。なお、d=25mm,t=0.145mm
  nxnxπxt + nxπx(d-t) - Ln = 0
  ここで、a=πxt=3.14159×0.145=0.4555
  b=π(d-t)=3.14159x(25-0.145)=78.0843
  c=-L=-30500
  これにより、100ft巻くための回数nは、解の公式により、
  n=(-b±root(bxb-4xaxc))/(2xa)=(-78.1816±root(78.0843×78.0843-4×0.4555x(-30500))/(2×0.4555)
   =186.9回
  フィルムの直径はt=(D-d)/(2xn)から、
  D=d+2xnxt = 25+2×186.9×0.145= 79.2mm となる。
  なお、Ln=nπ(d+tx(n-1))=186.9xπx(25+0.145x(186.9-1))=30.5m
  したがって、取手を187回ぐらい回せば30.5m巻けていることになる。

② 2インチ(51mm)のコアで巻いた場合も同様に計算すれば以下となる。
  a=πxt=3.14159×0.145=0.4555
  b=π(d-t)=3.14159x(51-0.145)=159.7657
  c=-L=-30500
  n=(-b±root(bxb-4xaxc))/(2xa)=(-159.7657±root(159.7657×159.7657-4×0.4555x(-30500))/(2×0.4555)
   =137.2回
  フィルムの直径はt=(D-d)/(2xn)から、
  D=d+2xnxt = 51+2×137.2×0.145= 90.8mm となる。
  なお、Ln=nπ(d+tx(n-1))=137.2xπx(51+0.145x(137.2-1))=30.5m
  したがって、取手を137回ぐらい回せば30.5m巻けていることになる。
  これにより、2インチ(51mm)のコアで巻いた場合も、ローダの内径は97mmなので問題ないことになる。ただし、キツめに巻く必要があるだろう。
  実際に137回巻きで4分割したところ、ほぼ当分割されていた。また、100ftフィルムをローダに入れてみたが、ほぼ計算どおりの隙間で入った。したがって、2インチコアに巻く場合には、正確に回数をカウントする必要がある。

③ 参考に400ftフィルムの直径を計算すると(d=51mm、Ln=122m)
  巻いてある回数は
  a=πxt=3.14159×0.145=0.4555
  b=π(d-t)=3.14159x(51-0.145)=159.7657
  c=-L=-122000
  n=(-b±root(bxb-4xaxc))/(2xa)=(-159.7657±root(159.7657×159.7657-4×0.4555x(-122000))/(2×0.4555)
   =371.1回
  フィルムの直径はt=(D-d)/(2xn)から、
  D=d+2xnxt = 51+2×371.1×0.145= 158.6mm となる。
  なお Ln=nπ(d+tx(n-1))=371.1xπx(51+0.145x(371.1-1))=122m

なお、フィルムの厚さ、コアの直径による、フィルムの直径の計算はこのページが有用。