120フィルムから16mmフィルムの切り出し方法

 前にホルガを使い、126のインスタマティック用フィルムと16mmフィルムを切り取る器具を作った。しかし、結構力のいる作業だった。また、120フィルムの横幅は60mmなので、15mmづつ切れば4本分撮れることになる。16mmカメラは巻き付けて、フィルムを巻き上げる方法なので、15mmでも問題ないと思う。現像リールもどうにか大丈夫なのではないかと思う。そこで、検索した結果、フィルムを台座に寝かせ、15mm幅にナイフをつけたカッターで、一気に切ってしまうのが、一番簡単な方法ではないかと思う。

 用意するのは、10cm幅ぐらいの1mの板と、15mm角の角材を3mあまり。そして、カッターの刃。器具は下の図のように、1mの板に60mmの幅をあけて角材を貼り付けた台座を用意する。これが、カッターの刃が横揺れするのを防ぐレールになる。フィルムカッターは、15mmの角材の間にカッターの刃を3枚はさんで作る。
 ホルガで作る方法では、カッターの刃をフィルムの方向と全く同じ角度で、プラの台座に焼き付けて取り付けるのが難しい。これが斜めに付いていると、刃がぶれて、切るのに力が必要。その点、15mm角の角材で挟むのであれば、刃が斜めになる可能性がほぼない。

 フィルムを切り取る方法は、まず120のフィルムを台座に固定する。そして、レールに沿ってカッターを動かし、フィルムを切るだけ。これで4本x83cmのフィルムが出来上がる。ただしこれでは長すて、カメラに負荷(*)がかかるので、半分の41cmx8本のフィルムにする。16mmカメラで16コマ、110カメラで12コマ程度が撮影できる。1,2時間の散歩のかたわら撮るのにはちょうど良いぐらいだ。

 (*注意点)16mmマガジンや110や126のカートリッジを使うカメラの故障/破損の原因は、フィルムを詰め込み過ぎて巻き上げができなくなり、それを力で無理に巻き上げようとして、カメラの部品を壊してしまう場合が多い。なので、16mmや110カメラに使うフィルム長は53cmぐらいを最大と考えておいた方が良い。

 コスト的には、今120フィルムの最安値が900円、カラーはその倍くらいなので、4本分で考えて、白黒フィルムが225円、カーラーフィルムが450円ぐらいだ。ただし、110カメラを考えない(もしくは、パーロレーションの映り込みを気にしない)のであれば、KodakのシングルパーフォレーションのDouble XやVision3を使った方が安くなる。約1万円(30.5m)で53cmのフィルムが57本取れるので、175円/本(白黒/カラー両方)となる。(110カメラの場合パーフォレーションの穴がネガの写野の下の1mmにかかる)

 ただし、120フィルムの上下1mm程度のところには、フィルム品番やメーカ名などが焼き付けられているので、これを避ける方向(下側に使う)でフィルムを使う必要がある。なお、通常の35mmフィルムから16mmを作る場合は中央部分しか使えないが、36枚撮りなら53cm長で3本取れることになる。

110カメラは16mmフィルムの穴を避けられない

 カメラごとのネガが出揃ったので、比べたところ、110カメラの写野は、パーフォレーションの穴と被ってしまうことにようやく気づいた。ネガの下の部分の1mmに穴が来ることになる。これを避けたければ、120のフィルムから切り出すしか無い。110カメラで、シングルパーフォレーションフィルムを使う場合、スクリーンの下部1/14のところはトリミング前提となる。

Vision3 250D(16mm) by Minolta-16 MG-s 現像

 MG-s2台ともに、絵は出ているが、またフイルムの上下が逆のミス・・・。次回からは必ず確認しませう。モルトは2台ともボロボロになっておりきれいにしたが、特に張替えはしなかった。けれど光線もれはなく特に影響はないようだ。

【2025/04/10追記】
 とりあえず両機ともに写ってました。ちょっと過露光気味のような。穴を消すために、14x17mmから10x17mmにトリミングしている。ただ、桜はさすがに16mmでは難しい。53cmのフィルム長で22から23枚ぐらいは撮れている。手巻きフィルムで撮る場合、110ではフィルム間調整機能を壊しているので、53cmで13枚ぐらいしか撮れない。カウンターが付いていて裏紙も必要ないので、16mmカメラの方がメリットがある。ただし、Minolta-16II やMinolta-16 MG-sなどでは固定焦点なので、そこが弱い。Minolta-16 の最後の機種QTには、焦点距離の調整機能が付いているが、レンズがMG-Sの3群4枚と違い、3枚玉に戻ってしまっている。

Minolta-16 MG-s(2台目)

Minolta-16 MG-s(1台目)

【画像のシャープ化】上の例はノイズを若干(30%)除いたただけで16mm特有の解像度の低いボンヤリとした写真ですが、PhotoDirectorの高画質化、手振れ補正を30%施すと、そんなに造られた画像ではなく、シャープな写りの普通の写真になります。110のデジタル化で割増料金で「シャープ化」をしている店もあるようです。

Minolta-16 Model Psを入手

本来の目的は、おまけで付いていたフィルムマガジン。これでやっとフィルムケースが2個体制になった。これれも送料込み2,500円。

Model-P(25mm F3.5)はMinolta-16の中では廉価版だったようです。なにせ、スピードが白が1/100s、赤丸がフラッシュ用の1/30sの2つのスピードしか選べない。後は絞りが、F16,11,8,5.6,4,3.5から手動で選ぶ。上から、快晴、晴れ、薄曇り、曇の絵がついている。これがIS0100のフィルム用で、ISO200だと絵が一段ずれる。画面の仕様は14mmx10mm。前に赤白の切り替えがあるのがPs、無いのがPらしい。フラシュがなくても、1/30sは使える。フルマニュアルなので普通に写りそうだけど、使う日がくるかが問題ではある。小型のMinolta-16 IIで間に合いそう。これに三脚穴が付いているのも不思議。しかし、体重は122gで一番軽い。

Minolta-16 MG-S 3rdトライ用

 駄目元ということで3台目が届いた。今回は送料込で2400円。黒のストラップとケースが付いていた。ファインダーの内側が曇っているけど見えないわけではない。動くようだったら、開けてガラスを磨く予定。

 今回の個体が一番状態が良い。電池を入れたらすんなり絞り値のメータが動き、シャッタースピードに比例している。とりあえずシャッターは切れ、ちゃんとまた閉じる。こちらの試写が先かな。。

【追記 4/4】とりあえず開けてファインダーを掃除した。普通にクリーンになった。

Minolta-16 MG-S 2ndトライ用

 写せる個体が手に入るまではやめられないということで、2台目を入手。今度は送料込み3,500円くらい。(ストラップ無し、ケース&A1(Sky)フィルター付き) 状態は前のものより悪いぐらい。片隅は擦れていてメッキがはげていた。(マジックでペイント) しかし、レンズはきれいだ。
 電池室にはH-Cという、水銀ボタン電池が入れっぱなしで、サビがでていた。PR44電池に交換したら、メータはふれているが、スピードを替えても変化ぜず、またかと一瞬思う。でも、スピードの切り替えダイヤルに不具合がある可能性もあるので、カバーを開けてみた。しかし、触ってみても、不具合内容は分からず。なので、動いている最初の個体の部品と取り替えてつけ直してみた。するとどうにか動きだした。最終的にはISO100、1/125sの設定でF11近くのメータのふれになるので、ほぼ適正レベルで動いているようだ。シャッターは1号機と違い、ちゃんと閉まっている。不具合の原因は、2枚のギヤ(フラッシュ/Autoの切り替えと、シャッタースピドの切り替え)の噛み合わせが悪かっただけかもしれない。あとは、試写してみるのみ。

訳有りのMinolta-16 MG-S試写NG

 Minolta-16 MG-Sを試写してみたが、駄目だった。
 現像上がりのネガが、光があたっていない所以外真っ黒の状態。光が当たっていない所は透明なので、現像自体は問題ないと思われる。結局、最悪シナリオの2000円のストラップということに。たぶん元の持ち主が落下させて、シャッターまわりがいかれているのだろう。残念。

【追記】ということで、あきらめてカメラの墓場BOXにいれたけど、単純な光漏れなら対処できる可能性もありそうということで、とりあえずBOXから引き上げた。
 そして、どうせ手をかけるならということで、分解して速度表示の邪魔をしていた鉄片を除いた。カウンターが動かないのもこの鉄片がカウンターにからんでいたからだった。鉄片を除いたらカウンターも動くようになった。また目障りな、ファインダーの中を動いていた、赤いプラ板も除去。ついでにファインダーも磨いた。これで見やすくなった。
 この機種の分解映像はWEB上になかったけど、結構簡単に上下のカバーを外すことができた。ただ、ネジが1本無かった。ということは、前のオーナも開けたことになる。なので、単純には治らない可能性もある。ジャンクカメラにはジャンクカメラ用のカニ目が必要ということで。
 このカメラのフィルム室には、普通はないモルトが貼ってあり、元々光線漏れに問題があったのだろう。

【さらに追記】カウンターが動き出してしまうと、「S,・,18,・,16——-1,E」となり、Eになると、裏蓋を開けないと(フィルムを交換しないと)、シャッターが押せない機構になっているよう。Minolta-16IIと同じと言えば同じだけど。なので、Sにセットしてからフィルムを入れないといけない。

【最後の追記】やはり光漏れの程度が大きいので、もしやと思ってレンズの前からライトで照らすと、フィルム室に光が漏れてきた。やはり、シャッターが完全に閉まらない個体のようだ。ということで、墓場ボックスへ逆戻り決定。結局、落下でシッターが壊れたという最初の予想が当たっていた。で、前のオーナーも開けてみたが、無駄だった。

訳ありだったMinolta-16 MG-Sを入手

 やはり画角は広い方がよいということで、同じ16mmフィルムで110と同様の12x17mmの絵が撮れるMinolta-16 MG-Sを入手してみた。とりあえず一番安いやつということで、落とせたのが「動作未確認」の1000円+送料合計で約2000円。最悪、三脚穴で使える金属ストラップだけでもOKということで。フィルムマガジンはMinolta 16のものと同じだ。

 で届いた個体をチェックしたところ、見えるとことで、①シャッタースピードを表示する穴に、上から紙が落ちてきていて、表示が見えない。②カウンターが動いていない。2つの不具合が見つかった。

 この機種はシャッタースピード固定のAEなので、露出計が動いていないと使えない。なので、次にLR44の電池を入れて露出計のチェック。どうにか動いて一安心。シャッター速度は見えないが、回すと4回手応えがあり、とりあえず絞りが一段づつ変化している。使える速度は、1/30,1/60,1/125, 1/250,1/500の5段らしいので、それに応じて動いているということになる。普段は1/125で使えば、設定スピードが見えなくてもどうにか使えそう。F8より下になりそうなら、絞り表示に応じて、スピードダイヤルを動かせばよいだけだ。カウンターはメモしてしのぐことに。あと、このような機種には珍しく、フィルム室にはモルトが貼ってあり、大抵の個体のモルトはボロボロだ。なので、とりあえず、モルトは張り替えた。フィルムのISO値は50~400まで設定可能だ。 

 距離設定はなく、Rokkor 23mm F2.8 (3群4枚)でのパンフォーカスだ。説明書では3.5m(10ft)の固定焦点となっているが、1feetは0.305mなので、3.5m(11.5ft)の誤りだろう。Minolta-16IIの2.5mより1m遠くにあるが、そのかわり4feet(1.2m)撮影用の補正フィルターが内蔵されている。さすがにパンフォーカスで、固定焦点を2.5mに置くのはまずいと考えたのだろう。以下の表は計算値。3m~5mぐらいの範囲であれば特に問題ないことになる。それより近くや遠くは絞った方が良い。

被写界深度 (レンズ:Rokkor 23mm/F2.8 固定焦点: 3.5m)

絞り最小距離(m)最大距離(m)
2.82.75.1
42.46.3
5.62.19.2
81.930.1
111.6
161.3

 あとは試写してシャッターと絞りがまともに動いているか見るしかない。

【追記】結局、シャッターが閉まらない訳あり品だった。

Minolta-16II の被写界深度

Minolta-16IIのマニュアルを見ると被写界深度は以下の表のようになっているので、レンズの固定焦点の位置は2.5m付近にあるようです。近接撮影や無限遠の撮影にはオプションのフィルターを使用します。
 
被写界深度 (レンズ:22mm/F2.8)

絞り最小距離(m)最大距離(m)
2.82.03.3
41.93.8
5.61.74.9
81.58.2
111.362.8
161.1

Mamiya-16 Automatic試写結果

 とりあえずこんな感じでした。(PhotoDirectorでノイズ30%を除去しています。) 今回はスキャン上がりでノイズを軽減してから作業を始めたが、最終段階でノイズを軽減した方が効果がありそう。なお、全てのコマで付属のイエローフィルタを使用しています。

[Mamiya-16 Auto. with Y2, Kodak double X (16mm), D96(1+1) 9.5分@20℃]

Mamiya-16 フイルムマガジンの怪

 Mamiya-16のフィルムマガジンの最初は、こういう真ん中に軸がある金属製の同じマガジンを左右に並べて使うものだったらしい。

 たぶん次に出たのは、これをバーでつなげたプラスティック製のタイプ。これも両側に軸がある。本来は右の送り側には軸は必要ないが、この軸を使っている機種があることを想定したものなのか? このタイプは軸が無いと、穴の中央が空洞となってしまうので、光が穴から直接入り込んでしまう。 私のマガジンのように、軸がないものを見受けるが、どうやって使っていたのだろう? 穴をふさぐか、光を防ぐ黒い筒状のものが内部に必要だ。

 そして最後に出たのが、フィルムタンク側の穴をふさいだタイプ。これで光漏れの心配はなくなった。

Mamiya-16 Automatic 試写

 先延ばしになっていたMamiya-16の試写を行った。
 まず、フィルム詰め。もともとカラーフィルムが入っており、その長さは53cmだった。やはり50cmでは20枚撮るには少し足りないようだ。フィルムマガジンは右左同じ構造。しかし、よく見ると、フィルムを巻き取る軸でマガジンの中央にある穴を塞ぐ構造になっている。しかも、この軸は巻取り側にだけあり、フィルムタンク側にはない。なのでフィルムタンク側は光がだだ漏れすることになる。とりあえず、テープで軸の穴をふさいだ。よくわからない構造になっている。念のため、カメラへのマガジンの装着まで、ダークバックの中でやるようにした。
 実際の撮影はMinolta-16と同じく、画角が35mmカメラ換算で60mm近くなので、ファインダーが狭い。とりあえず、1本撮り終えたが現像は明日以降ということで、今日の試写は終了。

【追記 2025/03/23 正午】 現像してみた。4度目の正直ということで、今回はリール巻きも1回で成功。現像も絵が無事に出ていて、ムラもなさそう。全てダークバックの中でやったので、カウンターの18枚目から始め、23枚撮れていた。もう一枚ぐらい大丈夫だった。Minolta-16だと、カウント0で巻き上げがストップするらしい。