フィルム(120,4×5)を買い増す

 円安が加速してもうすぐ160円。少量ながら120と4×5のフィルムを買い増した。120はヨドバシのKentmere100の840円。4×5は一時期無くなっていたがかわうそ商店のFormapan100(8900円/50枚)。ほとんどの4×5フィルムが400円/一枚になった現在、180円/一枚で買えるのは貴重だ。4×5は一日せいぜい数枚しか撮らないが、5枚撮って1000円と2000円はえらい違いだ。Formapanは長時間露光には向かないが、AcrossやDelta100のストックもあるから大丈夫だ。

 なお、白黒フィルムは20年ほっておいた経験上、冷蔵保管していればほとんど劣化はないようだ。カラーリバーサルもいっぱい残っているが、まだ撮っていないので状態は不明。

ピンホールカメラ プロジェクト(3)

4×5のフィルムホルダに印画紙を詰めて試写した結果。
プリントをスキャンして反転させている。
使用した印画紙はKentmere VC select Glossy 8×10を四分割したもの。
Ev=15程度の状況で露光時間20秒。
とりあえず近くは写っているが、空は飛んでしまっている。

これは段階露光(F200)の結果。
左から10秒(-1EV)、20秒(0EV)、30秒(+0.5EV)。
左は空の雲が残っているが、近くがだめ。
右は空が飛んでいて、近くも潰れている。
とりあえず設計通りのF値になっているようだ。

試しに少しは明るい机の上を撮ってみた。EV=9.7で露光時間13.5分(F200)。
電気をつけているので、人間の目では普通にあかるいのですが、
中心は写っているが、周辺減光で周りは写っていない。
ISO6で計算したため、ISO5なら数分増えるがもう少し写っていたかもしれない。

やはり明暗差がある対象物では、印画紙での対応は難しいようだ。
印画紙を使う場合には、被写体を選ぶ必要がある。
1.明暗差の小さい被写体や場所。
2.室内や夜は非常に長くなるので、基本的に屋外。
3.ピーカンの晴れより、曇っている方がよいかも。
4.解像度が悪いので、なるべく大きな被写体。(ピンホール一般)

なお、工作が不要なので4×5のカメラの筐体を使っているが、暗箱にピンホールをあけ、印画紙を貼ることで、同様のことは可能。

【追記 2024/04/27】ソフトの部分焼きの機能でこの程度までは簡単に修正ができた。

Super Angulon 65mmF8の4×5カメラでの問題

 気づかなかったけど、昨日は4月5日で「シノゴの日」だったのでは?

【EBONYとリンホフの共通の問題点:レンズボードが#00番】
 このレンズは中版用カメラのレンズで#00番という穴の開いた4×5用レンズボードが必要です。このタイプのレンズボードは特殊で中古や出来合いの製品ではほぼ流通しておらず、専門店で穴の開いていないリンホフボードに開けてもらうのが普通です。なので、レンズボードがついてないレンズ単体や中版用レンズボードに付いたものを入手した場合、ひと手間かかります。4×5のリンホフボードが付いたレンズが狙い目です。
【注意点】WISTAのレンズボードはリンホフのボードと形は同じですが、レンズの取り付け穴がボードのセンターに開いているそうです。リンホフのボードはレンズ取付け穴がボード中心から約8mm下にオフセットされているそうで、ウイスタのボードをリンホフで使う場合は約8mm像が上にあることになります。イメージサークルが小さいレンズでは切られることにもなります。

【EBONY New45sで問題ないことを確認】
 EBONY New45sでスーパーアンギュロン65mmF8(平板に取り付け)を付けて撮ったことがなかったので、ピントの確認をしてみました。New45sのフランジバックの仕様は65-275mmとのことです。なので、ピントはぎりぎり来るはずです。今日はあいにく雨で家の中から無限遠のものを見ることはできず、30mぐらい先のアパートの屋上にある給水塔を目標にしました。結果は7mm程度の余裕でピントが合いました。なので無限遠も大丈夫のハズです。したがって、スーパーアンギュロン65mmF8を使う場合には、リンホフテクニカよりピント合わせは楽ということになります。

【リンホフ スーパテクニカでの問題点】
①リンホフテクニカで、ピント調整ができる可動レールに載せた時の最小フランジバックを測ったところ88mmぐらいでした。なので平板のレンズボードで使用できるレンズは90mm程度までということになります。したがって、65mmのレンズは格納時の固定レールの上でピント合わせをする必要があります。
 しかし、固定レールで調整できるフランジバックの距離を測ったら38~75mmぐらいまででした。したがって、65mmを平ボードに付けたらピント調整可能ですが、例えば20mmの凹みボードにつけたらフランジバックの範囲が55mmまでとなり、65mmのレンズはそのままでは使えないことになります。この場合、後ろのフィルムバッグの部分を後ろにずらしてやる必要が出てきます。なので、凹みボードに付けた場合の方がピント調整が厄介になります。
②では、30mm程度の凹みボード使い、可動レールでピント調整すれば良いように見えます。しかし、65mmのレンズの場合には、前蓋を90°からさらに曲げて120°程度にしないと、前蓋が画面に映り込んでしまいます。そのため、リンホフの場合、65mmレンズのピント調整を可動レールの上で行うのは、最初からできないのです。したがって、Super Angulon 65mmF8を使う場合、平ボードに付けるという選択肢しかありません。
[ヘリコイドによるピント調整] ピント調整機能(ヘリコイド)のあるアダプタと、このレンズを組み合わせてある個体もあるようです。固定レール上での、ピントグラスでのピント調整は苦になるものでもないので、これは目測撮影を行うためのものと思います。

【EBONYとリンホフの共通の問題点:イメージサークル】
 4×5のフィルムで必要なイメージサークルは150~152mmぐらいとされてますが、Super Angulon 65mmF8のイメージサークルは155mm。ほぼ同等なのでアオリは使えず、周辺減光も大きいことになります。しかし、トリミングを前提とすればアオリもありです。

EBONYの4×5

 もう一台ある4×5のカメラが黒檀とチタン鋼の材料でできているEBONYのNew45Sです。後ろ枠の部分も前枠と同様に上下左右に振れるようになっており、アオリ撮影が容易です。フランジバックは65-275mmなので、300mmの望遠レンズは乗らず、標準から広角レンズ用です。(スーパーテクニカは300mmでも大丈夫です) 65mmより短いレンズは凹みボードが必要です。(しかし、こちらにはまだスーパーアンギュロン65mmF8は、付けたことはないような気がする。)写真では軽るそうですが、それでもレンズなしで2.1kgあります。最初に発売されたのが1990年のようです。これは20年ぐらい前にヤフオクで入手しましたので、製造は20数年前ですが、黒檀とチタン鋼なので経年劣化は感じられません。4×5の撮影は難しそうに見えますが、アオリをしなければ、スクリーンでピントを合わせ、露出を合わせば普通に撮れます。
 なおリンホフのように手持で撮ることは最初から考えられていません。フォールディングが悪いというか、できません。三脚とのセットで使います。また、このNew45sは、フレームを倒して弁当箱みたいにたたむことはできません。L字型のままで収納です。

なぜリンホフの距離計にはカムが必要なのか?

 たぶん、リンホフスーパーテクニカに内蔵の距離計(レンジファインダー)の特性と、各レンズのピントの合う位置の特性が違うので、そのずれを解消するような機構になっているのでしょうね。なので、指定のレンズでないと同じ焦点距離のレンズでも合わないという結果も起きるということですね。
【追記 2024/04/05】カタログを読むと、リンホフの販売店を通して購入したレンズには、それに合わせたカム(& 目盛盤?)が添付されるという販売方法だったようです。なので、焦点距離が同じであっても合う保障はありません。

 したがって、120の67等の撮影で、カムは無いがどうしてもスクリーンでのピント合わせができない(or したくない)場合は、内蔵の距離計を使わずに、使用するレンズに合わせて、レーザ距離計で測って校正した目盛盤を作りレールの横に貼れば、レーサ距離計(or 目測)の距離で撮影ができます。例えば、使用するレンズの無限遠のピントの位置が、無限遠の目盛の位置です。次に、正確に例えば5mの位置に置いた物をスクリーンでピントを合わせれば、そこが5mの目盛の位置です。こうして何点か測れば目盛盤ができます。撮影時には対象までの距離を、レーザ距離計(or 目測)で測り、出た距離で目盛盤に合わせればピントは合っているはずです。もともと、手持ちでリンホフの距離計のピントを合わせる(2重像を合わせる)のは重くて至難の技です。CAMBO WIDE等のピント合わせも、ヘリコイドに記載の目盛盤に、目測した距離を合わせるだけです。

 そういう意味では、35mmのライカなどのレンズを交換できるレンジファインダータイプのカメラは、うまい作りになっていることになります。当然仕様があって、それに沿って、ボデイ側とレンズ側がつくられているのでしょうけど。それに対して、大判レンズは距離計を意識していないので、仕様がばらばらなんでしょう。

ようやく分かったリンホフのレンジファインダー化

 リンホフの使いかたを説明したWEBのページはほぼ無いので、レンジファインダー機能の使い方は知りませんでしたが、予想でやってみたところ、機能しました。レーザ距離計で測って0.9mの所がリンホフの距離の目盛では1mちょうどで、4~5m先のスナップで使うにはほぼ問題ないレベルでした。購入後20年目にして使い方が分かった。。

 すでにレンズに合ったカムが設置してあり、距離計が調整してある場合の使い方です。
 ①リンホフの前蓋を開くとこんな感じです。小さなレンズなら付けたままで収納できます。

 ②次に一番上のレールをレンズが載っているレールまでさげます。左側の2つのボタンでレールのロックがはずれます。

 ③レンズが載っているフレームを、前の2つのレバーをはさんで、レールに沿って引き出します。
 ④上のレールも元の位置に戻します。

 ⑤レールの脇に付いている「赤色の無限ストッパー」を立てます。150mmは赤色のようです。したがって、最初にこの位置の先まで、レンズのフレームを引き出しておきます。

 ⑥ストッパーで止まるところまで、レバーをつまんでレンズのフレームを戻します。

 ⑦この位置で、一番上のレールについている「⇒」が目盛版の「無限」の位置にあります。

これがレンジファインダーで使う時の最終形です。一番上のレールは収納時の位置にあります。したがって、距離計を使わない場合でも、150mmレンズの位置はこのあたりになります。90mmは若干後ろ。
 平ボードについている65mmは収納されてるレールの上でレバーをゆるめて、手動でピントを調整します(前のレールでのピントの調整機能はつかえません)。凹みレンズボードについている場合は、微妙な位置にあるらしく、これではピントが来ないようで、フィルムの載るバックボードを後ろにずらします。(凹みレンズボードなら、前のレールでピントが来てもよさそうですが?)また65mmの場合は、前蓋が90°の位置では、映り込んでしまうので、120°ぐらいの最大位置まで下げます。 

 なお重量はカタログに6ポンド1オンスとあるので28オンス(1オンス≒28g)、だいたい2.7kg。なので、これにレンズ、及び67or69のアダプタを付けると4kg弱。なので手持ちで撮るには体力と覚悟がいる。手持ちで持って、本体のレンジファインダーの2重像でピントを合わせるのは無理なような。
 風景写真でこの機能は不要なので、レンジファインダー部を取り外してもらっている人も多いようだ。最初から付いていないモデルもある。

防湿庫で眠る4×5のレンズたち

 4×5の標準レンズは150mm(35mm版44mm位?) 、120mm(35mm相当)(2本)、望遠側は300mm(85mm相当)、広角側は90mm(35mm相当)。それと日本の4×5ではお決まりのスーパーアンギュロン65mm F8(20mm相当)。 それと、なんでか207mm(60mm相当)があり合計で7本。

 スーパーアンギュロン65mm F8は日本では伝説がいろいろあって、このレンズのためだけにまだ4×5を手放さない人もいるようだ。人気のレンズだが、もともと高価なレンズではなく、今はヤフオクで3万円前後で程度のよさそうなのが買える。eBayで買った時は中版用のボードに載ってたものを、4×5の#00のボードへ載せ替えてもらった。へこみボードに付けるのが普通のようだけど、平らなボードではピント調整が効かない付けねのレールに載せたままならぎりぎりピントは来る。最初ピント調整ができる前のレールに載せたのでピントが来なくてあせった。へこみボードだとフィルムの位置を、うしろにずらす必要があるようだ。いずれにせよ、ピント合わせはスムーズではない。もともとは中版用のレンズで、イメージサークルはどうにか4×5の範囲をカバーしているようだ。たぶんアオリはできないだろうけど、広角の風景で使うには問題ない。ハッセルのSWCのイメージ。多分65mmはパンフォーカスでスナップできるだろう。このレンズを4×5のボードに載せてくれた相模原の「ムサシ」も今は閉店したようだ。フィルムも買い増したことだし、そろそろ4×5も再開か?

 このレンズを買った(2004/06)のは渡辺さとるさんのwebの影響だ。このレンズの話は、「旅するカメラ2」(2004/08)に載って有名になったが、それを知ったのは、本が出る前に、暇にまかせてネットを回ってた頃のWEBのコラムでだ。その頃はeBayへも手を伸ばして買っていた。

リンホフスーパーテクニカ(4×5)の使い方

 これまで適当に使っていたけど、良い説明ビデオがあった。 特に5分目あたりのレンズ装着部分を引っ張り出すところは指摘されている悪い例だった。

 距離計がつているという話もあるけど、なんのことかよくわからなかったが、この動画を見て初めて向かって左の2つの穴が距離計であることを認識。レンズに合ったカムが必要とのことだけど、私のものには150mm用がセットされていた。90mm用のカムもついてきたような気がするが行方不明。いずれにせよ、レール上でスタートの位置を目盛の∞に合わせると、2重像が合う点が距離に応じて変わっているのがわかった。一応レールの脇に距離の目盛版がある。この機能があると、いちいちスクリーンでピント合わせをする必要がない。150mmのレンズだけだけど。これでパンフォーカスにしなくても、スナップショットも可能なわけだ。この機能で4×5のレンジファインダーのカメラになるわけだ。120のロールフォルダー(67)を使えば、普通に10枚連続して撮れることになる。

最近の大判(4×5)の現状

 2000年代にデジタルカメラが市場を独占し始めた頃、最初に絶滅すると思われていたのが大判(4×5)カメラだったが、他のフィルムカメラと同じくまだ生息している。最近の大判(4×5)カメラの現状を調べてみた。

 まずフイルム価格。2004~6年ぐらいに買ったフィルムに付いてるヨドバシの値札を見てみると、Fuji アクロスの4×5シートが20枚で2280円(114円/枚)、Tri-x320が50枚で5280円(106円/枚)なので、一枚100円で買えていた。現在ヨドバシ通販で一番やすそうなのが、デルタ4+/5+の8850/25枚(354円/枚)。T-max100はさらにひどく5万円/50枚(1000円/枚)。調べた中で一番安かったのが、Formapan100の約9000円/50枚(200円/枚)。これは仕入れた時期が早く、これだけ売れ残っているのは評判にもよるものだろう。(とりあえず注文してしまった。) B&HでもDelta100が219$/100枚なので、もろもろ考えると,一枚400円程度になりそうだ。
 結局4×5フィルムも他のフィルム同様値上がりしていた。大判(4×5)の場合に一回の撮影で使うフィルムは数枚~10枚ぐらいだから、カラーフィルムの値上がりと同様のインパクトだろう。

 新しい動きとしては、ロモグラフィーから、4×5のカメラにつけられる Instax Wideフィルムが使える、フィルムバックを約2万円で発売している。Instax Wideフィルムは1660円/10枚なので、一枚あたり166円。でもこれは、本体が2kg以上あり簡単に持ち運べない以上、4×5撮影の時の確認にしか使えないだろう。逆に、開発したロモグラフィーはそこにまだそれなりの需要を見込んでいることになる。

 ヤフオクでもリンホフ2000の状態の良いボディは10万以上しており、そんなに値崩れをしている様子はない。ほかのフィルムカメラ同様、この状況がつづくのだろう。

【追記 2024/04/02】Formapan100最後の一箱だったのか、早速売り切れになっている。


 

4×5フィルムの初スキャン

 ピンホール用に4×5の写真機触っていたら、最初のころの写真が懐かしくなって、4×5フィルムを初スキャンしてみました。普通にスキャンできました。これまでUpしているのは、プリントからスキャンしたものです。

 この写真はリンホフを入手して最初に撮った室内での試し撮りの一枚です(2003/12/15)。レンズは本体についてきたシュナイダーのSymmar 150mmF5.6。このブログで振り返ると、もともとドイツの店からSWCを買ったのだけど、不具合があって返送し、その代わり買ったみたいです。このころは結構ドイツの店から買ってました。
 この頃住んでた横浜の田舎のアパートの室内なので絞りは開放。アオリを使ってないのでピントが浅く、なぜかノートパソコンの前のケーブルあたりにあります。テレビは当然ブラウン管テレビ。ノートパソコンの上には多分ザウルス。その上に当時始まった屋外WiFiサービスのアダプターが見えます。使えるのは通勤途中の駅だけでした。机の下にあるのはVHFのレコーダとCSのチューナーのようです。時代を感じます。この頃は室内もまだ整頓されてました。

 試し撮りと4×5初現像がうまくいったので、下の写真は次の日曜(2003/02/23)に横浜へ出かけ、大桟橋から山下公園方向を写したもの。実際には、金曜日に行ったのが光線引きで再挑戦した結果のようです。氷川丸の左手は今はさら地でガンダムパークになってしまった倉庫群。倉庫の下の白い点はゴミかのようだけど、拡大すると車だった。さすがに大判フィルム。この日の記事をみると4×5で12枚も撮って現像している。元気だったんだ。この頃はまだフィルムもアクロスが1枚100円で、12枚撮っても気にならない時代だったよう。ところで、全くの偶然だけど、『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』は今日(2024年3月31日(日)までの開催だったらしい。

【2023/08/27日写す by GR digital II】

リンホフ ロールフィルムホールダーの使い方

 大昔買ったのだけど、一度も使ったことのない、4×5のカメラで6×7の写真が撮れるホルダー。なかなか使い方を説明したページがないが、Youtubeで使い方の動画を見つけたのでメモ。

 さすがに4×5のフィルムなら現像で疲れるけど、ケントメアなら使ってみたい。けど、4×5のカメラを2kgまで測れるハカリに載せたらどちらも重量オーバしてしまった。