なぜか話題のElmar 35mmF3.5

 最近なぜかライカのElmar 35mmF3.5が話題になっています。しかし、恥ずかしながらElmarに35mmがあることさえ知りませんでした。例えば、写真工業出版社発行の雑誌「ライカのレンズ」(2000)には、50種ぐらいのライカのレンズが紹介されていますが、Elmar 35mmはありません。同社の雑誌「世界のライカレンズ」(2000)でようやく見つけました。さらに、この記事には、『絞れば絞るほどディテルは向上するが、なおズマロンには及ばない。』とあります。テッサーなら絞り込まなくてもシャープなのです。あと、WEBでのエルマーの評価に『中央部は繊細』という表現もありますが、テッサーなら全面で繊細なのです。テッサーとエルマーは光学設計が別物なのです。

 最初にライカを買った2000年代始めに人気だった35mmは、ズミルックス、ズミクロンそしてズマロンの順でした。ズマロンでも人気なのはF2.8、F3.5の順でした。エルマー35mmの記事を見たことは無かったように思います。しかし、現在ヤフオクの相場ではズマロンのF3.5が6,7万ぐらい、エルマーはその倍以上の価格です。なぜこんな事になっているのか不思議です。たぶん、おコメと同じで、需要と供給の問題なのでしょう。

 また、レンズ構成はエルマーは3群4枚のトリプレット(テッサータイプではない。参考ページ参照)、それに対し、ズマロンは4群6枚ダブルガウス型という贅沢なレンズ構成。なので、現在の人気は良くわかりません。価格及び技術面で選ぶなら、ズマロンという選択肢しかありません。ライカのオールドレンズでレトロの写りを楽しむのが目的であれば問題ありませんが、『テッサー』のような写真が撮れると思ってElmarを買うのは誤りです。

参考ページ【Elmar 5cm F/3.5はTessarタイプなのか?】 
(なお、Elmar 50mmと35mmは同じレンズ構成です。)

【参考ページの冒頭部分の引用】
『Elmar 5cmのレンズ構成について、多くのWebサイトや書籍が「Tessarタイプ」だと紹介しています。確かに、構成図を見るとぱっと見の構成はZeiss社のTessarと類似する点があります。しかし、実際にElmarを使用してみると、これは本当にTessarなのか?と違和感を覚えたのです。空気感、質感描写、ボケ具合。どれもTessarとは違うではありませんか。』
この感想は、私が『スケッチ』の3群4枚のレンズをテッサータイプと信じて撮った写真を見た時の失望と同じです。光学系の話を知らなくても、『鷹の目と呼ばれるテッサー』とは写り(シャープさ)が明らかに違います。単にレンズを3群4枚構成で作ってもテッサーにはならないのです。

最初で最後だった尾道 幻のタイル小路

 これを撮影したのは2002年5月のゴールデンウイーク。飛鳥から京都を巡って尾道という若干変則なコースで尾道を訪れた時。尾道でのメインはやはりタイル小路。ここはずっと残るものと思ってましたが、裏では撤去の話が持ちあがっていたようです。翌年2003年3月始めの週末には小路に埋め込まれているタイル以外は撤去され、休み明けには清掃事務所に持ち込まれたため、市観光文化課で保管されることになったようです。なので、2003年のGWに訪れたときには、道案内の看板もはずされ、タイル小路は無かったことになってました。それでも、まだ空き家だったので、小路は通れてましたが、最近では左側の家もリフォームされ、私道表示の石も置かれたようなので、通行も制限されほぼ完全になくなったことになるようです。いずれにしても、ここは私有地なので。

 私が小さい頃は、大通りに出るのが面倒で、近道で人の家の庭を突っ切って小学校へ通学してましたが、今はどこの家も塀で区切られて、そういう時代ではなくなりました。

 タイル小路は住人の方が、自分の家の通路にタイルを敷いたのが始まり。これが、映画「時をかける少女」(1983年公開)にロケ地として使われ、一躍有名に。そして、ロケ地巡りで訪れる観光客も増加した。観光客は、思い出ノートの代わりに、住人の方が用意したタイルを少額で買ってメッセージを残し、それが通路の脇に飾られ残された。しかし、観光客の騒音などの周辺住民の苦情や、始めた住人も高齢化などにより管理ができなくなって、映画公開から20年で撤去という流れになったようです。やはり、個人の住居で始め、公共の支援もなかったことに無理があったのでしょう。

 この時に撮影したものが、最終期の観光名所幻の「タイル小路」の記録になったことになります。最初に尾道を訪れたときから、タイル小路、向島のクレーン群、福本渡船と、尾道の目玉の観光スポットがなくなっています。(中には入れなかったけど、尾道城も撤去済みとのこと。)

【2002年5月GW】これは2024/11にスキャンしたポジ。ポジのフィルムの経年劣化はほぼ無かった。

街を撮る・五反田池上線ガード下

この辺りは再開発されて今はなにも残っていません。
一杯飲み屋さん、昼間からお客さんがいます。
線路の向こう側が池上線の五反田駅の駅舎です。

【Filmデジタル化 2004/01/31 五反田】

河津桜の季節の夕暮れの鶴岡八幡宮

トリミングされない方法が見つかったので、とりあえず、ポジのデジタル化はGT-X970のオリジナルソフトでスキャンすることにした。ポジからスキャンした時の色がこちらの方がぬめり感があって、Silverfastより良い。

これもデジタル化の中のポジのコマ。鎌倉に通っていた時期(2002年2月24日)の夕暮れの鶴岡八幡宮の石段横の河津桜。この桜はいまはもう無く、2011年秋の台風の塩害で枯れてしまったようです。空には月齢13日の月が。もうこういうシーンは見られない。