ピンホールの最適サイズ

 最適なピンホールのサイズは焦点距離により変わり、Root(焦点距離)x0.036とされている。しかし、実験結果を見るとそのピークは尖ったピークではなく、滑らかなピークのようだ。なので、0.3mm程度のサイズの穴の時、±0.05mm程度の変化では解像度はほぼおなじのようだ。

 例えば焦点距離40mmではZeroimageのZero6x9は0.18mm、Onduの6×9は0.25mmを選択している。
 最適サイズはRoot(40)x0.036=0.228mmで、±0.05mmでは0.178~0.278mmとなり両機種ともに許容範囲となる。したがって、2機種は同様の解像度ということになる。このことからも、当初考えていた0.18mmのピンホールを0.25mmに張り替える必要は無いわけだ。ただし、F値は0.25mmがF160で、0.18mmのF222より有利だ。

 したがって、ピンホールを自作する場合にも0.05mmステップの単位に合わせて作れば問題無いことになる。

ピンホール露出時間あんちょこ表

 最近使っているのが下の露出時間のあんちょこ。これはZero2000(F138)でケントメア100の場合。真中の列がフィルター無し、右の列がY2フィルターの場合(ISO50で計算)。F=150ぐらいでは晴れた日は1秒前後なので、Y2フィルターを入れたほうが2~3秒となり誤差も少なくなる。また、1秒以下だと露出時間をコントロールできない。Ev=10以下だと、分単位の撮影時間となるので、Y2フィルターは外すことになる。

 例えば、EV=10ぐらいだと、計算値では19秒だけど、フィルムの特性から40秒の露光が必要。イエローフィルターをつけていると、計算値は倍の19秒の37秒だけど、フイルム特性の補正から95秒の露光が必要となる。単純に40秒の倍にはならない。 

 具体的な使い方は、まずコンデジ(GR digital II)のISO100固定で同じ方向を撮影し、F値とシャッタースピードから、右の欄のシャッター時間が得られる。Ev値も確認できるので、間違えることはない。GR digital IIは設定で、256分割、中央、スポット測光とか選べるが、基本は分割平均測光だ。コンデジの焦点距離は28mmなので、画角で2/3程度はカバーしていることになる、周辺部はどうせ減光するからあまり関係ないようだ。これまでのピンホールの撮影で露出を外したことはない。逆に測光角が狭い露出計だと、向ける方向で値が違うので、20mm以下の超広角撮影では迷ってしまうだろう。

 夕方まだ明るくてもEv値が思ったより小さいことがある。これは瞳孔が開いているためだろう。特に夕方は、人間の感覚は誤差が大きいのであてにならない。

【追記 2025/01/22】Y2フィルターだと1/3段しか減光しないので、ここで一段減光するのはYA2(オレンジ)フィルターの場合。