風景写真も入射式露出計でOKという動画

なるほど、という動画です。
「同じ光だったらどこでも同じ。」という考え方もありということで。
「入射式は室内用。遠くにあるものは測れない。」という考え方がミスリードと。
 フィルムのラチチュードが±2EVあれば、光があたってる所の値 ±2EVで大抵のものは写っていることになるのでしょう。

なおこの方が撮ってるのは、「マジソン郡の橋」(RosemanBridge)のような木製の屋根付き橋ですね。屋根があるのが不思議でしたが、木製のため屋根をつけることで橋の耐用年数が延びるそうです。いまでもあるようですが、車は通行止で、歩行者専用の観光橋になってますね。ちなみに、主人公のナショナルジオグラフィックのカメラマンが使っていたのはNikon Fでした。
「マジソン郡の橋」(RosemanBridge)

同様の説明が以下にありました。

被写体が遠い場合
被写体が遠くにある風景写真の場合、わざわざ被写体の所まで行って測るのは不可能。だが実際にはカメラの位置で腕を伸ばし、光球をレンズに向けて測ればOKだ。主光源である太陽光は、自分が立っている場所にも同じ強さで降り注いでいると考えられるので、どこで露出を測ろうと測光値に大きな差は出ない。ただし白っぽいコンクリートなど地面の反射率が高いと、照り返しの影響を受ける場合がある。こんなときは、光球の下に手をかざして余計な反射を遮ると良いだろう。
このほか入射光式露出計は、ステンドグラスなどの透過光、自ら発光するイルミネーションなどの測光は苦手。このような被写体には反射光式露出計を使用するしかない。」
https://camerafan.jp/cc.php?i=279

また以下のページには、入射式と反射式の露出計を使った場合の比較があって、中間辺りに、橋から川の風景を撮った写真があります。反射式では空の明るさに引かれて暗く写ってますが、入射式だと明るめに写ってます。結局、同じ光を浴びているのであれば、入射式ではそのままの値が使えるということになります。
https://photo.yodobashi.com/live/lightmeter/02/

結局、同様の光を浴びている風景写真の場合、入射式で設定値を仮ぎめし、スポットメーターがあれば、明暗箇所をチェックすれば万全ということかもしれません。
反射式の場合、空とか明るい部分に引かれるので、全体的に暗めになり、暗い部分が真っ黒になってしまう可能性がある。問題は、被写体の大部分とカメラの位置に明暗差(光の当たり方が違う)がある場合だろう。

Zone SystemとSpot meterの使い方

簡単なスポットメーターの動画があったので貼っておきます。(英語です)
現像時間の調整はシート・フィルムでないとできませんが、以下が目安だとか。
現像時間の増減で、明るい部分(ネガで暗い部分)のゾーンが増減する。それによりコントラストの調整をするようです。暗い部分(ネガで透明の部分)はフィルムに写っていないので、現像時間を増減させても変わらない。
N-2 ⇒ 標準x0.6 (明暗差が大きいコントラストが高いネガ)
N-1 ⇒ 標準x0.7
N+1 ⇒ 標準x1.4
N+2 ⇒ 標準x1.4×1.4(x2) (明暗差が小さいコントラストが低いネガ。)

ロールフィルムでも、コントラストの弱いネガになる場合は、現像時間を伸ばすことでコントラスが上がることになる。ということ?


結局、スポットメータで、表現したい一番暗い部分を測り、それの+2段で撮影する。そして、明るい部分の測定値をもとに、(撮影+2段)を基準に現像時間を増減する。これで、標準±2段のネガができあがる、ということらしい。

ロールフィルムでも、明るい部分、暗い部分の測定値と、実際に撮影する設定値±2EVぐらいを比べることで、黒く潰れるか、白飛びしてしまわないかがわかることになる。例えば、晴れた日の空が多くの部分を占める場合、地上部分が黒く潰れないためには、地上部分+2段ぐらいまでは開けないといけない。逆に風景の明るいを表現するためには、明るい部分-2段絞るぐらいになる。

今年は露出を考えるということで。スポットメータも用意しないと。