例えば小室三喜雄のピンホール俱楽部(閉鎖)には「ピンホール写真は年20前から作品表現の時代に入っています。」とある。なので、ピンホールカメラが映像表現に用いられ始めたのはたぶん1990年代ごろからということになる。これはデジタルカメラの導入の時期とほぼ重なり、一見矛盾している。しかし、デジタルカメラのフィルムサイズ(35mm of APS-c)を考えれば矛盾はない。35mmサイズのカメラのフランジバックでは超広角の画角は得られないからだ。中判や大判フィルムを用いるピンホールカメラでは35mmフィルム換算で15mm程度の超広角表現が普通にできてしまう。
この計算から逆に、ピンホールカメラで撮影できる画角(イメージサークル)を計算すると、acos(25/50)x2=60°x2=120°となる。例えば、MIA6x6 10mmの画角は152°と計算上は出るが、画面全面が一様な光度だと、120°程度以上は2段光が落ちるので黒いサークルになる。これは実際には次のYouTubeのMIA6x6の20mmと10mmの比較で確認できる。20mmも126°なのでわずかにイメージサークルにかかっている。 Testing the Mia 6×6 10mm PINHOLE CAMERA