カルティエ ブレッソンの露出設定値

 ブロッソンの使用機材を調べていたら、「晴れていたら、速度1/125s 絞りF8(Ev値13)、距離10feet(3m)」の固定で使っていたというのも出てきた。先の「曇りがF5.6で1/125sec(Ev値=12)、晴れがF8で1/250sec(Ev値=14)」の真中の数字だ。この設定を固定して使っていたとなると、ネガのラチチュードを±2段と期待して使っていたことになる。したがって、この2つの記事の話は時期が違うのだろう。1設定の固定は「写るんです」の方式だ。

 結局手ブレを防ぐためにスピードを最低限の1/125sとし、絞りはF8が中心だったようだ。2段階でカバーする時には、暗いときには1段開け(F5.6)、明るいときには速度を1段上げ(1/250s)て考えていた。(使用フィルムはPlus-X(ISO80)と仮定して。)F8以上に絞る必要性は感じていなかったようだ。

 また、50mmレンズF8絞りで、ピント位置3mでピントが合うのは2.2mから4.4mまでしかない。ピント位置が5mで3.2mから10.7mまでカバーする。 Webの記事では10feet(約5m)としているものが多い。5mの場合はF5.6でも(3.6m~8m)と近くはほぼ変わらない。たぶん、10feet(=3m)は35mmのレンズの場合(ピント位置3mで、F8で1.8mから8.6m)のことだろう。

 使っていた機材としてはライカIIIfでは、カールツアイスのゾナー 50mm F1.5をライカLマウント用に改造したもの。M3ではSummicron 50mm F2(沈胴)がメインだったようだ。

【追記】初期のゾナーはそもそもF8までしか無かったようだ。[Carl Zeiss Sonnar 5cm f1.5 (nickel black f8)]
 ズマリット(50mm F1.5)という情報もありますね、やはりF1.5がメインだったのか。