PENTAX Film Project 

 ハーフサイズでレンズはEspio miniを参考にしているとのこと。Espio miniの仕様は35mmフルサイズの3群3枚の32mm F3.5のようです。ちなみに、画角の参考にしたというリコーのオートハーフのレンズ構成は25mm F2.8 3群4枚構成。同じハーフのOLYMPUS-PEN EEのレンズも3群4枚構成。小型カメラでは3群4枚構成のテッサータイプでないと、写りがあまくなる。(スケッチみたいな例外もあるが) 加えて画角はハーフだ。なので、写りという点では選択肢には入らないかな。どうせなら24mmx24mmのましかく画角にしてくれればよかったのに。

 3群3枚構成のレンズは先日ハードオフで拾ってきた、RICOH LX-55W(34mm F4.5 3群3枚構成)に採用されてますが、このカメラ発売時の1994年に1万5千円の定価でした。新機種にはゾーンフォーカスや、電子シャッター、絞り機能がつくのでもう少しましとは思いますが、せいぜい倍の3万円程度の内容かと。ちなみに1994年に発売されたESPIO MINIは3万8千円だったそうで、これにダイヤル等をつけるとなると、5万円程度になってしまいそう。この程度の価格になると状態の良い中古のローライ35や新品のLOMO LC-A+(3万5千円)も価格帯に入ってくるので、販売は苦しいのでは。

 それに問題はハーフということ。36枚撮りで72枚、24枚撮りで48枚も撮れてしまう。最近一日で36枚撮るのが難しくなってきたので、長巻から巻くのも24枚撮り用にしている。なので、ハーフのカメラにはまだ手を出していない。若い人は撮り切るまで現像に出すのを待ちきれるのだろうか。ハーフだから経済的というのは、天文学的に値上げしてしまったフイルムメーカの都合でしかない。

 いずれにせよ5万円前後の大衆機に的を絞ったようだけど、そこに大衆はまだいるのか? 本来のフィルムカメラファンはRollei 35 AF(T-3レベル?)に流れそうだ。

【追記 2024/03/13】今の時代『キレイに撮れないカメラ』を探しているようで、コダックのハーフも結構売れているようだ。なので、ハーフ市場を狙うのもありそうだが、その場合やはり値段が1万円超えでは勝負にならなそうな感じがする。

カルティエ ブレッソンの速写術

 カルティエ ブレッソンは、「曇りがF5.6で1/125sec、晴れがF8で1/250sec」で撮っていたと語っています。これをEv表でみると、曇りがEv=12、晴れがEv=14となります。当時のフィルムのラチチュードを±1と仮定すると、EV=15からEV=11までを、この2つの組み合わせだけでカバーしていることになります。(ここでF5.6の1/500sではなく、F8の1/250sを使っているのは、1/300sまでしかないカメラも使っていたからかもしれません。) したがって、組み合わせの切り替えを誤らなければ、適正露出との差も1段程度に抑えられていた。

 彼が使用したフィルムは明確になってませんが、コダック社のフィルムの歴史からは、1938年にPlus-x(ASA80)とSuper-XX(ASA160)発売され、1958年にTri-X(ASA250)が発売され、Double-Xから代わっています。ここで、各フィルムに対する右のEv表を見ると、Ev11~15で対応しているフィルムはPlus-Xということがわかります。これから、この2組の組み合わせに対応するフィルムはPlus-Xということになります。また、2つの組み合わせの境界は、この表からは、太陽の光で影ができているかどうかという点のようだ。

 現在彼と同じ2つの組み合わせでスナップを撮ろうとすれば、ISO100のフィルムでよいことになり、ISO400であれば2段スピードを上げて、F5.6,1/500sとF8,1/1000sでよいことになります。ISO400のネガはラチチュードが±2ぐらいなので、なお万全です。いずれにせよ、この方法であれば、露出計無しにスナップすることが可能となります。たぶん「曇り」は「日陰」も含めてと思います。

 F16は写真教室などで求められる基本のパンフォーカスの写真となりますが、F4~F5.6辺りで撮るとピントがあった被写体が主題として浮かび上がります。

ps.現在ではTri-XはISO400でISO100と比べ4倍なのに3倍と名付けられているのに疑問がありましたが、発売当時はISO80が基本だったようです。

【追記】ライカのシャッタースピードはバルナックまでは1/100s,1/200s,1/500sのスタイルで、M3(1954年)から、1/60s, 1/125s, 1/250s, 1/500sのスピードに変わっている。なので上記撮影スタイルはM3からの話。その前までは、「ASA80のフィルムで、曇りがF5.6で1/100sec(Ev=12.0)、晴れがF8で1/200sec(Ev=14.0)」だったのかもしれない。この場合もEv=11からEv=15までをカバー。

最近のディジタルカメラの出荷台数

 2023年のカメラの出荷は単価のUpで売上は5%程度伸びたが、台数は4%程度減少したようですね。しかも、この円安を考えると$ベースでは落ち込んでいるのでしょう。合計では800万台を割り込み772万台とのこと。レンズ交換式では一眼レフの落ち込みをミラーレスで補って若干伸びてますが、2019年の824万台にくらべ2023年は599万台と回復する見込みは無い模様ですね。スマホに食われたディジタルカメラには明るい未来はなさそうです。最近は新しいアナログフィルム風フィルターとかがニュースになるようでは、ほぼ末期症状に近いような。そもそも20年来のAPSサイズがいまだに存在している時点で進化していない。

 2000年代初めの最後のアナログカメラブームの頃は、2,30万出せば、M6とかハッセルとかの新品が買えたけど、今どきのハイエンドのデジカメはその倍はする。3,4年で陳腐化する機種にそれだけ出すのは、商用ベースの人しかメリットはないだろう。メーカは計画的陳腐化だけが生き残る道なんだろうけど。

 携帯にカメラが搭載されたのが1999年。iPhoneの発売が2008年。携帯がスマフォに置き換わったのが2010年以降。ということで、デジカメと携帯はまだ共存できていたけど、1000万画素を超えるiPhoneが出てからデジカメが売れなくなったのが、グラフを見ればわかる。この20数年はカメラ産業にとって激変の時代だった。また、往年の写真雑誌も役割を終え休刊していった。

 さらに最近のフィルムの高騰により、フィルムの本数が減っていることにより、DPEで採算が取れる状況ではななくなってるでしょうから、DPE料金の値上げや、町のDPE屋さんの減少は避けられない。残るのは大手のショップだけになるのでは?

 いま、写真に興味がある人の形態を別けると、こんな感じか?
①最新のディジタルカメラに数十万投資できる層
②コンデジで撮ってる層
③スマフォで撮っている層
④高いフィルムと現像料金でも、撮る本数が少ないからやっていける層
⑤シネマフィルム&長巻フィルムと自家現像で本数をこなす層
 結局写真産業にお金を落とす人は増えそうにない。

撮影メモのWEB化

 2017年に撮影を再開してから、撮影日・機材・フィルム・現像液などをコクヨの測量手帳に書いてきたけど、去年いっぱいで余白が無くなってしまった。手帳を買い足す予定だったけど、カレンダー形式でWEB版(PHP+MySQL)を作ってみた。これだと、撮影に行ってない時期が一目瞭然で、すこし励みになるかも。
 しかし、2004,5年の仕事が忙しくなった時期から十年以上ほってあった古いカメラたちが、いまも動いてくれていることに感謝。やはり防湿庫は大事。。

最近のデジカメ出荷台数

最近のデジカメの出荷台数は800万台程度のようですね。今年も同程度のようで。1990年代に2000万台あった銀塩カメラに比べ半分以下ということに。結局スマホに食われてしまったようですね。