Super Angulon 65mmF8の4×5カメラでの問題

 気づかなかったけど、昨日は4月5日で「シノゴの日」だったのでは?

【EBONYとリンホフの共通の問題点:レンズボードが#00番】
 このレンズは中版用カメラのレンズで#00番という穴の開いた4×5用レンズボードが必要です。このタイプのレンズボードは特殊で中古や出来合いの製品ではほぼ流通しておらず、専門店で穴の開いていないリンホフボードに開けてもらうのが普通です。なので、レンズボードがついてないレンズ単体や中版用レンズボードに付いたものを入手した場合、ひと手間かかります。4×5のリンホフボードが付いたレンズが狙い目です。
【注意点】WISTAのレンズボードはリンホフのボードと形は同じですが、レンズの取り付け穴がボードのセンターに開いているそうです。リンホフのボードはレンズ取付け穴がボード中心から約8mm下にオフセットされているそうで、ウイスタのボードをリンホフで使う場合は約8mm像が上にあることになります。イメージサークルが小さいレンズでは切られることにもなります。

【EBONY New45sで問題ないことを確認】
 EBONY New45sでスーパーアンギュロン65mmF8(平板に取り付け)を付けて撮ったことがなかったので、ピントの確認をしてみました。New45sのフランジバックの仕様は65-275mmとのことです。なので、ピントはぎりぎり来るはずです。今日はあいにく雨で家の中から無限遠のものを見ることはできず、30mぐらい先のアパートの屋上にある給水塔を目標にしました。結果は7mm程度の余裕でピントが合いました。なので無限遠も大丈夫のハズです。したがって、スーパーアンギュロン65mmF8を使う場合には、リンホフテクニカよりピント合わせは楽ということになります。

【リンホフ スーパテクニカでの問題点】
①リンホフテクニカで、ピント調整ができる可動レールに載せた時の最小フランジバックを測ったところ88mmぐらいでした。なので平板のレンズボードで使用できるレンズは90mm程度までということになります。したがって、65mmのレンズは格納時の固定レールの上でピント合わせをする必要があります。
 しかし、固定レールで調整できるフランジバックの距離を測ったら38~75mmぐらいまででした。したがって、65mmを平ボードに付けたらピント調整可能ですが、例えば20mmの凹みボードにつけたらフランジバックの範囲が55mmまでとなり、65mmのレンズはそのままでは使えないことになります。この場合、後ろのフィルムバッグの部分を後ろにずらしてやる必要が出てきます。なので、凹みボードに付けた場合の方がピント調整が厄介になります。
②では、30mm程度の凹みボード使い、可動レールでピント調整すれば良いように見えます。しかし、65mmのレンズの場合には、前蓋を90°からさらに曲げて120°程度にしないと、前蓋が画面に映り込んでしまいます。そのため、リンホフの場合、65mmレンズのピント調整を可動レールの上で行うのは、最初からできないのです。したがって、Super Angulon 65mmF8を使う場合、平ボードに付けるという選択肢しかありません。
[ヘリコイドによるピント調整] ピント調整機能(ヘリコイド)のあるアダプタと、このレンズを組み合わせてある個体もあるようです。固定レール上での、ピントグラスでのピント調整は苦になるものでもないので、これは目測撮影を行うためのものと思います。

【EBONYとリンホフの共通の問題点:イメージサークル】
 4×5のフィルムで必要なイメージサークルは150~152mmぐらいとされてますが、Super Angulon 65mmF8のイメージサークルは155mm。ほぼ同等なのでアオリは使えず、周辺減光も大きいことになります。しかし、トリミングを前提とすればアオリもありです。

EBONYの4×5

 もう一台ある4×5のカメラが黒檀とチタン鋼の材料でできているEBONYのNew45Sです。後ろ枠の部分も前枠と同様に上下左右に振れるようになっており、アオリ撮影が容易です。フランジバックは65-275mmなので、300mmの望遠レンズは乗らず、標準から広角レンズ用です。(スーパーテクニカは300mmでも大丈夫です) 65mmより短いレンズは凹みボードが必要です。(しかし、こちらにはまだスーパーアンギュロン65mmF8は、付けたことはないような気がする。)写真では軽るそうですが、それでもレンズなしで2.1kgあります。最初に発売されたのが1990年のようです。これは20年ぐらい前にヤフオクで入手しましたので、製造は20数年前ですが、黒檀とチタン鋼なので経年劣化は感じられません。4×5の撮影は難しそうに見えますが、アオリをしなければ、スクリーンでピントを合わせ、露出を合わせば普通に撮れます。
 なおリンホフのように手持で撮ることは最初から考えられていません。フォールディングが悪いというか、できません。三脚とのセットで使います。また、このNew45sは、フレームを倒して弁当箱みたいにたたむことはできません。L字型のままで収納です。

防湿庫で眠る4×5のレンズたち

 4×5の標準レンズは150mm(35mm版44mm位?) 、120mm(35mm相当)(2本)、望遠側は300mm(85mm相当)、広角側は90mm(35mm相当)。それと日本の4×5ではお決まりのスーパーアンギュロン65mm F8(20mm相当)。 それと、なんでか207mm(60mm相当)があり合計で7本。

 スーパーアンギュロン65mm F8は日本では伝説がいろいろあって、このレンズのためだけにまだ4×5を手放さない人もいるようだ。人気のレンズだが、もともと高価なレンズではなく、今はヤフオクで3万円前後で程度のよさそうなのが買える。eBayで買った時は中版用のボードに載ってたものを、4×5の#00のボードへ載せ替えてもらった。へこみボードに付けるのが普通のようだけど、平らなボードではピント調整が効かない付けねのレールに載せたままならぎりぎりピントは来る。最初ピント調整ができる前のレールに載せたのでピントが来なくてあせった。へこみボードだとフィルムの位置を、うしろにずらす必要があるようだ。いずれにせよ、ピント合わせはスムーズではない。もともとは中版用のレンズで、イメージサークルはどうにか4×5の範囲をカバーしているようだ。たぶんアオリはできないだろうけど、広角の風景で使うには問題ない。ハッセルのSWCのイメージ。多分65mmはパンフォーカスでスナップできるだろう。このレンズを4×5のボードに載せてくれた相模原の「ムサシ」も今は閉店したようだ。フィルムも買い増したことだし、そろそろ4×5も再開か?

 このレンズを買った(2004/06)のは渡辺さとるさんのwebの影響だ。このレンズの話は、「旅するカメラ2」(2004/08)に載って有名になったが、それを知ったのは、本が出る前に、暇にまかせてネットを回ってた頃のWEBのコラムでだ。その頃はeBayへも手を伸ばして買っていた。

65mm/F8(for 4×5)のピント調整

 しょうがないので大判レンズを探しに銀座へ。でもどこも閉まっている。新宿MapCameraに90mm/F8があったけど、ちょっとレンズまわりの接着がはげているようでボツ。150mmのレンズキャップだけ買って引き上げる。
 帰ってからもう一度65mm/F8のピント調整。レリーズをバルブで止めておいて、レンズボードのホルダを動かすとどうにかピントがあう。とりあえずこれでいくことに。

ムサシにレンズを取りに行

ムサシにレンズを取りに行く。ついでにニコンの引伸レンズ130mm/F5.6を購入。
しかし、帰ってリンホフに付けて見ると、ラックピニオンの調整範囲ではピントがこない。やはり65mmは無理なのか。

SuperAnguron F8/65mm

朝宅配でe-bayで落とした4×5用のSuperAnguron F8/65mmが届く予定だったので前の晩からフィルムつめていたのに、付いていたレンズボードがリンホフと合わない。仕方ないので、新宿ヨドバシへ出かけるが、ついでにNikonの300mm/F9買った後に、既製品のリンホフボードに合うものが無いこと判明。

 こういうときには相模原のムサシということで、小田急町田経由相模原へ。ボード代プラス穴あけ工賃で5千円ちょっとのこと。ベースマークがついてないボードでちょっとだが、しかたない。
H&Bで買ったレーザ水準器も届く