ピンホールカメラ プロジェクト(3)

4×5のフィルムホルダに印画紙を詰めて試写した結果。
プリントをスキャンして反転させている。
使用した印画紙はKentmere VC select Glossy 8×10を四分割したもの。
Ev=15程度の状況で露光時間20秒。
とりあえず近くは写っているが、空は飛んでしまっている。

これは段階露光(F200)の結果。
左から10秒(-1EV)、20秒(0EV)、30秒(+0.5EV)。
左は空の雲が残っているが、近くがだめ。
右は空が飛んでいて、近くも潰れている。
とりあえず設計通りのF値になっているようだ。

試しに少しは明るい机の上を撮ってみた。EV=9.7で露光時間13.5分(F200)。
電気をつけているので、人間の目では普通にあかるいのですが、
中心は写っているが、周辺減光で周りは写っていない。
ISO6で計算したため、ISO5なら数分増えるがもう少し写っていたかもしれない。

やはり明暗差がある対象物では、印画紙での対応は難しいようだ。
印画紙を使う場合には、被写体を選ぶ必要がある。
1.明暗差の小さい被写体や場所。
2.室内や夜は非常に長くなるので、基本的に屋外。
3.ピーカンの晴れより、曇っている方がよいかも。
4.解像度が悪いので、なるべく大きな被写体。(ピンホール一般)

なお、工作が不要なので4×5のカメラの筐体を使っているが、暗箱にピンホールをあけ、印画紙を貼ることで、同様のことは可能。

Super Angulon 65mmF8の4×5カメラでの問題

 気づかなかったけど、昨日は4月5日で「シノゴの日」だったのでは?

【EBONYとリンホフの共通の問題点:レンズボードが#00番】
 このレンズは中版用カメラのレンズで#00番という穴の開いた4×5用レンズボードが必要です。このタイプのレンズボードは特殊で中古や出来合いの製品ではほぼ流通しておらず、専門店で穴の開いていないリンホフボードに開けてもらうのが普通です。なので、レンズボードがついてないレンズ単体や中版用レンズボードに付いたものを入手した場合、ひと手間かかります。4×5のリンホフボードが付いたレンズが狙い目です。
【注意点】WISTAのレンズボードはリンホフのボードと形は同じですが、レンズの取り付け穴がボードのセンターに開いているそうです。リンホフのボードはレンズ取付け穴がボード中心から約8mm下にオフセットされているそうで、ウイスタのボードをリンホフで使う場合は約8mm像が上にあることになります。イメージサークルが小さいレンズでは切られることにもなります。

【EBONY New45sで問題ないことを確認】
 EBONY New45sでスーパーアンギュロン65mmF8(平板に取り付け)を付けて撮ったことがなかったので、ピントの確認をしてみました。New45sのフランジバックの仕様は65-275mmとのことです。なので、ピントはぎりぎり来るはずです。今日はあいにく雨で家の中から無限遠のものを見ることはできず、30mぐらい先のアパートの屋上にある給水塔を目標にしました。結果は7mm程度の余裕でピントが合いました。なので無限遠も大丈夫のハズです。したがって、スーパーアンギュロン65mmF8を使う場合には、リンホフテクニカよりピント合わせは楽ということになります。

【リンホフ スーパテクニカでの問題点】
①リンホフテクニカで、ピント調整ができる可動レールに載せた時の最小フランジバックを測ったところ88mmぐらいでした。なので平板のレンズボードで使用できるレンズは90mm程度までということになります。したがって、65mmのレンズは格納時の固定レールの上でピント合わせをする必要があります。
 しかし、固定レールで調整できるフランジバックの距離を測ったら38~75mmぐらいまででした。したがって、65mmを平ボードに付けたらピント調整可能ですが、例えば20mmの凹みボードにつけたらフランジバックの範囲が55mmまでとなり、65mmのレンズはそのままでは使えないことになります。この場合、後ろのフィルムバッグの部分を後ろにずらしてやる必要が出てきます。なので、凹みボードに付けた場合の方がピント調整が厄介になります。
②では、30mm程度の凹みボード使い、可動レールでピント調整すれば良いように見えます。しかし、65mmのレンズの場合には、前蓋を90°からさらに曲げて120°程度にしないと、前蓋が画面に映り込んでしまいます。そのため、リンホフの場合、65mmレンズのピント調整を可動レールの上で行うのは、最初からできないのです。したがって、Super Angulon 65mmF8を使う場合、平ボードに付けるという選択肢しかありません。
[ヘリコイドによるピント調整] ピント調整機能(ヘリコイド)のあるアダプタと、このレンズを組み合わせてある個体もあるようです。固定レール上での、ピントグラスでのピント調整は苦になるものでもないので、これは目測撮影を行うためのものと思います。

【EBONYとリンホフの共通の問題点:イメージサークル】
 4×5のフィルムで必要なイメージサークルは150~152mmぐらいとされてますが、Super Angulon 65mmF8のイメージサークルは155mm。ほぼ同等なのでアオリは使えず、周辺減光も大きいことになります。しかし、トリミングを前提とすればアオリもありです。

EBONYの4×5

 もう一台ある4×5のカメラが黒檀とチタン鋼の材料でできているEBONYのNew45Sです。後ろ枠の部分も前枠と同様に上下左右に振れるようになっており、アオリ撮影が容易です。フランジバックは65-275mmなので、300mmの望遠レンズは乗らず、標準から広角レンズ用です。(スーパーテクニカは300mmでも大丈夫です) 65mmより短いレンズは凹みボードが必要です。(しかし、こちらにはまだスーパーアンギュロン65mmF8は、付けたことはないような気がする。)写真では軽るそうですが、それでもレンズなしで2.1kgあります。最初に発売されたのが1990年のようです。これは20年ぐらい前にヤフオクで入手しましたので、製造は20数年前ですが、黒檀とチタン鋼なので経年劣化は感じられません。4×5の撮影は難しそうに見えますが、アオリをしなければ、スクリーンでピントを合わせ、露出を合わせば普通に撮れます。
 なおリンホフのように手持で撮ることは最初から考えられていません。フォールディングが悪いというか、できません。三脚とのセットで使います。また、このNew45sは、フレームを倒して弁当箱みたいにたたむことはできません。L字型のままで収納です。