いまから始める白黒ネガ自家現像

 白黒ネガを街の現像屋さんに出している場合、現像に1000円、CD化に600円程度で1本あたり1600円ぐらいかかっていると思います。月に4,5本撮っているひとには大変な出費になっているはず。そこで自家現像に切り替える場合どの程度の費用がかかるのか見てみました。

 まず撮り終えたフィルムを現像するための、初期に必要な備品と薬品をまとめたのが以下の表。現像タンクはステンレスのリールを使うステンレスのタンクが推奨ですが、いまはヤフオクでしか手に入らないので、ここでは入手が用意なパターソンのもので試算しています。アマゾンでは類似の製品が5000円ぐらいででています。ステンレスリールのタンクの必要な溶液は1本あたり250mlですが、パターソンでは290mlとしています。なお、現像液はマリックスの3リットル用のものですが、1+1の希釈(水で半分に薄める)で3Lx2/290ml=20本現像できます。カップや攪拌棒などは、ダイソーで同等品があるかもしれません。

 またデジタル化のために、Epsonの最上位機種GT-X980を使うとすると、実勢価格は約6万5千円。費用としては大きいですが、自分でスキャンの解像度を決めることができ、また今までの紙写真もデジタル化できるメリットもあります。私の使っているGT-X970は20年以上使えています。合計で9万万円ぐらいの初期投資が必要となります。なお、カラーネガの場合には、カラーの現像液キット(数千円)の費用を加えるだけです。

 店に頼む場合に1600円/本かかっているとすると、50~60本ぐらいでペイすることになります。したがって、月に5本程度以上撮っているのであれば一年で元が取れるので、自家現像を考えてみる価値があります。さらに、バルクローダを用意して、30mのロールフィルムが使えるようになると、さらにコストが下がります。

 現在ではまだ中古の引き伸ばし機がヤフオクで安くで取引されているので、これを機会に、白黒プリントを体験してみるのもありです。

V3 500T(85Bフィルタ無し)の色調整(II)

 エプソンのスキャナGT-x970にSilverfastというScanソフトを付けて、昔撮ったポジの読み込みをやってみたたが、すでにWEBに掲載している画像の色に持っていくのが、結構たいへんだった。これはSilverfastが読み込んだデータに手を加えすぎているのが原因と思われる。85Bフィルタ無しのVision3 500Tのカラーネガについても同様だった。特にネガでは、フィルムのタイプ名を選ぶ必要があり、読み込んだデータに大幅に手を加えられているようだ。

 逆にエプソンのオリジナルのソフト(Epson scan)で仕様だと思っていた、最大の欠点だった、横長画像の場合で上下をトリミングされる事象が、設定でほぼフィルム枠のまま読み込めることを発見。デフォルト設定で、トリミングする仕様になっていたようだ。(20年目にして気付いた・・・)

 したがって、当面は、今まで通りGT-X970のソフト(Epson scan)でスキャンして、Silkypixで色調整をすることにした。

V3 500T(85Bフィルタ無し)の色調整(青みを消す)の手順は以下。
①GT-X970のソフト(Epson scan)でネガをスキャンする。
②(以下Silkypixで)トリミング位置の設定
③パラメータの[自動設定]ボタンを押す。
④(明るめになるので)ほぼ明るさを元に戻す。
⑤トーンカーブで若干暗めに下げる。
⑥ホワイトバランスの色温度を+500度の範囲で調整して上げる。
⑦ホワイトバランスの色偏差を+5の範囲で上げる。
⑧ ⑥⑦を最適になるように調整する。

だいたいこの手順で(本人が考えるところの)普通の色になる。
Silkypixの良いところは、この操作を直接オリジナルに加えていないこと。
なので、確実に最初からやり直すことができる。

なお、当然ながら85Bフィルターを用いた場合には、ホワイトバランスの調整は必要なく、Epson scanで読み込んだ画像を使い、Silkypixの自動調整とトーンカーブをいじるだけで次のような画像になる。このようなカラーバランスの調整や85Bフィルターの装着が面倒であれば、最初から500Tではなく250Dを選ぶのが正解。シネステール800TからVision3 500Tに流れる人が多いようだけど、800Tのような赤の輝きはVision3 500Tにはない。Vision3 500Tは普通のカラーネガフィルムだ。

河津桜の季節の夕暮れの鶴岡八幡宮

トリミングされない方法が見つかったので、とりあえず、ポジのデジタル化はGT-X970のオリジナルソフトでスキャンすることにした。ポジからスキャンした時の色がこちらの方がぬめり感があって、Silverfastより良い。

これもデジタル化の中のポジのコマ。鎌倉に通っていた時期(2002年2月24日)の夕暮れの鶴岡八幡宮の石段横の河津桜。この桜はいまはもう無く、2011年秋の台風の塩害で枯れてしまったようです。空には月齢13日の月が。もうこういうシーンは見られない。

撮り溜めたフィルムのデジタル化

 スキャナのソフトを買ったり、ガラスをクリーンにできたことから、自分で撮ったフィルムのデジタル化を考えてみた。そこでとりあえず、フィルムの数を数えてみた。

 結果としては、白黒ネガが670本、カラーポジが130本、カラーネガが40本、スライドにしてある分が70本、合計で910本もあった。そのうち、最初の2002年からの3年が600本ぐらい。
 少なくとも2~3年はかかりそうな数。。