ロジナールでは3%の無水亜流酸ソーダの水で使ってみたが、コダックの現像液のD-76やD-96ではそれぞれ1リットル当り100gと75gの無水亜硫酸ソーダが処方に含まれている。これを(1+1)で希釈してつかうので、半分になり、濃度としては5%と3.5%となる。したがって、3%のソーダ水はD-96とほぼ同じ処方の濃度になっていたことになる。したがって、ネガの硬軟が無水亜流酸ソーダで決まっているとすると、最初からD-96を使えば良いことになる。D-96はその(3.5%)当りで最高の処方を選んでいるはずだから。
逆に、D-96から無水亜流酸ソーダを減らすと、硬めの方向に向かうことになるから、それも面白いかもしれない。なお、ソーダ割りの元記事を発見した。
自家現像液試算改訂
前回の試算ではハイドロキンを50gの製品で計算していたために、D-76やD-96が高めに出てました。250gの製品を用いると、両方とも3.8リットル用6,7回分の作成で一回当り1500円程度となります。D-76の代替え商品より300円程度安いです。写真用薬剤の販売停止も進んでいるので、現時点で1万円程度投資しておくと、当分の間白黒現像液の心配がなくなります。
また今回はこのページで紹介されている、阪川式高希釈高鮮鋭現像液というのも試算に入れてみました。このページの著者がロジナールの代用として修正したもののようです。なお、下の表にある処方は「暗室百科」p.64に記載のオリジナル。(1+20の希釈で、一般のフィルムで20℃ 7~10分とある。) これだと、1リットルの原液で80本程度現像できるこおとになり、費用が一桁下がります。無水亜硫酸ソーダが少ないので、尖った結果が出るようです。軟調方向にするには無水亜硫酸ソーダを増やしてみます。いずれにしても、試してみる価値はありそうです。なお、上記HPでは修正を加えているの、処方や温度/時間が違います。
この表で使われている薬品は現在ヨドバシ通販で簡単に手に入るもので、種類も少ないので、揃えておいて損はないでしょう。
現時点での現像コストを考えると、D-76/96の場合1500円/3.8リットル、1+1の希釈で現像できる本数は30本、1本当り49円となる。一方、ロジナールは現在100ml/1780円、500ml/4280円。1+50の希釈で1回あたり5ml使うとすると、89円/100ml瓶、43円/500ml瓶。無水亜硫酸ナトリウムを30g/1L加えると、1本当り12円UP。なので、大瓶を使った場合は、D-76/96と同定度の費用。小瓶だと倍近い費用となる。阪川式高希釈高鮮鋭現像液の場合は1本当り10円。ロジナールは使用量も少なく、安い印象があったけど、最近の値上げで、他の現像液とほぼ変わらなくなっている。
【修正 2024/01/23】炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)について「無水」のもので計算していましたが、「一水塩炭酸ナトリウム」(H2O付)が正しく、単価が1050円円から594円に下がり、D-72が2677円/5回から2312円/5回に下がりました。なお、必要量は、(無水炭酸ナトリウム必要量)x1.17=(1水塩炭酸ナトリウム必要量)とのこと。

D-96を補充
最初に作ったD-96の1リットルがほぼ無くなったので、追加で2リットル分作成。無水亜硫酸ソーダの在庫が無くなってきたのでヨドバシに注文。Double XとD-96があれば、白黒写真は当分続けられる。ただ、写真現像用薬品も劇物指定され販売中止品が増えてきたのでそちらが心配。
カラーネガC-41現像の現像液の温度と時間
Vision3の最初の現像は32℃7分でやったけれど、この記事によると、30℃で3分半程度で現像できているという話もあり、条件さえ毎回同じにすれば、温度や時間はそんなにシビアでなくても良いのかもしれない。
カラーネガ色調整ソフト
これまでWebにUPした写真はモノクロは、写真修正ソフトはWndowsに付いていたソフトで済ませていたが、カラーネガの場合はホワイトバランスの調整が必要とのことで、適当なソフトを探してみた。しかし、Lightroomは1078円/月のサブスクで月に数回しか使わないのに高すぎる。他の買い切りのソフトも数万するようで手が出せない。
Jpegファイルのみで、WBの調整ができて、ごみ取りが簡単にできるという視点で探したところ、jpegファイル専用のSILKPIX JPEG Photografhy11というのがあった。魅力は1月中であれば2300円ポッキリの買い取り。ということで、トライヤルでインストールして使ってみた。ごみ取りは、ゴミを丸枠で囲みクリックするだけで簡単に消えた。Windowsの”ペイント”ソフトで、しこしこ消しているのとは雲泥の差。WBを含めとりあえずの自動の初期設定値で指定した範囲のファイルを取り込み、その上で、必要であれば個別に修正していくスタイル。すべて終わったところで、一括してファイルに落とせる。
でやってみたのが下の唯一ネガで登録している以下のパリの写真。エプソンのGT-X970フラットスキャナーで取り込んでいるが、ネガのベースの色が残って赤みがかぶっている。これをWBの調整で色温度を指定するだけで簡単にできる。ただ、問題は画面に表示されている色味と、実際に出力されたファイルの色味が違うこと。これはなにかまだ設定があるのかもしれない。【追記:表示の設定で「Color Managementを有効にする」という項目のチェックを外したら、同じような色目になった。】なので、実際に出力されたファイルで色は確認した。しかし、2300円で一般的な色処理はなんでもできそうなので、購入してみることにした。
こんな感じで修正できると、ネガフィルムで撮ってもポジと変わらないことに、いまさらながら気づいてしまった。(Realaが良すぎただけなのか?) また、これがあると、85Bフィルター無しで撮ってもいいかもしれない。
【他の不具合】スキャナから出力された白黒ネガのipgファイルを読んでくれない。一旦他のソフトで読んで上書きかければ読んでくれた。
【WB調整前】

(CANON new F1 with nFD50mm F1.4 FUJI REALA)
【WB調整後】

Vision3 500TのC41初現像 カラーバランスの調整
キャノンのマクロ(50mm)の写真をUP
Vision3 500TのC41初現像 Scan結果
Scanしてコントラストだけ調整した画像。85Bフィルターを使用しているので、青色に転んでもいない。普通に使えるカラーネガフィルムということになる。色目の調整はしていないので、下のGRデジタルの画像に比べると淡い色目になっている。露出が若干オーバ目なのかもしれない。次回はISO500で試してみることに。でも、Vision3 500Tの初撮り/初現像にしてはうまくいったのでは。

【国分自衛隊の特攻記念公園に咲く緋寒桜】
撮影/現像データ:Contax Aria+MakroPlanar 60mmF2.8+85BFilter、MarixC41現像液32℃7分、Kodak Vision3 500T(ISO400の設定で撮影)
Vision3 500TのC41初現像とその手順
Scanしてみないと結果は分からないが、とりあえず像は出ている模様。
パーフォレーションにある傷は、リムジェットの残りを拭いた後、パターソンのリールで巻き直したときに、慣れていなくてついたのではないかと思う。

手順はこんな感じ。
現像液の温度と現像液の時間以外はシビアではない。
①リムジェット層を剥ぐために、重曹溶液(40g/1L@30℃:3~4%、多めかも)の投入後、1分待ってから強めに撹拌。
②水(32℃ぐらい)洗い(2回):この1回めに真っ黒の水が出る。
③(念のため)残りの重曹溶液投入撹拌。
④水洗い(32℃):2回目の重曹溶液ではほぼ水の色変わらす
⑤現像液(32℃)投入。1分撹拌し、その後30秒おきに数回撹拌。:合計7分。
⑥水洗い数回。
⑦停止液(酢酸)投入。1分撹拌。
⑧水洗い数回。最後の水洗は30℃ぐらい。
⑨漂白液投入(25℃ぐらい):1分撹拌し、その後30秒おきに数回撹拌。:合計5分
⑩水洗い数回
⑪定着液投入(20℃ぐらい):1分撹拌し、その後30秒おきに数回撹拌。:合計7分
⑫水洗い数回
⑬フィルムをタンクから出して、食器洗い槽に30℃程度の水をはり、そこにフィルムをつけてかるく洗った後、フィルムを吊るして、リムジェットの残りを取る。(コットンのウエットシートで、フイルム光沢面を3,4回拭く。1,2回目は黒くなる。)新しいウエットシートに黒い汚れが着かないことを確認した後、再度水洗い。この手順でリムジェットが残っている心配はほぼ無い。Youtubeではゴム手袋で手洗いしているのを見かけるが、あれでは洗い残りが出る。ウエットシートで完全に拭き取る方法が正解。なお、これ用に選んだウエットシートは「ママのこだわりベビーウエットタオル」(コットン100%、精製水99%)で400円程度/80枚のやつ。
⑭リールに巻き直す。
⑮水洗促進剤に1分つける。
⑯水洗い:20分(長いかも)
⑰ドライウエルに1分つけて完了。
⑱風呂場で乾燥
なお重曹はダイソーで売ってる食器洗い用の1Kg/100円のやつ。アルカリ水溶液でリムジェット層の接着剤を溶かすのだそうです。現像液、漂白剤、定着液はMarixのC41現像キット(34本用)。現像したフィルムは24枚撮りだったので、20mlの現像液を捨てて、補充液から20ml補充した。
白黒フィルムの現像と違うのは、リムジェット層剥がしと漂白作業のみ。上記手順で結果が良ければ、あまり難しい点はない。手間なのは、現像液を30数℃に上げること。50℃とか高い温度のお湯で湯煎しないと、今の季節では、なかなか液の温度が上がらなかった。現像液を32℃7分で行うのは再現性を上げるため。38℃3分15秒は自動の機械だからできること。現像液を注ぐだけでも2,30秒かかったりする。(パターソン・タンクなら、そんなにかからないかもしれないが・・・)
【追記 2024/02/13】4本現像した結果としては、現像液の温度と時間だけ気をつければ、若干手順は増えるが、白黒フィルムの現像とほぼ変わり無い。まだ試してないが、現像液の温度と時間もそんなにシビアではなさそう。そもそもフィルムのISO設定にかかわらず、同じなのだから。一回1,2本現像するだけなら、低温調理器なんて不要。じゃまになるだけ。
Ariaの露出補正表示点滅の不具合
Contax Ariaで露出補正をしていないのに”-“が点滅する不具合。半年前に対処法で消したはずなのに再現。設定の認識に1/3絞りの食い違いが出ている。前に見つけた、「3コマ連続自動露出補正」をいったん「+1」とかに設定して、シャッター切って、戻したら、前回同様「+0」で点滅表示がでなくなった。電池を抜いて保管しておくと、戻ってしまうようだ。
Vision3 500T の試写
午後からは天気もよくなりそうなので、とりあえず24枚分巻いて試写。機材はカラー用ということで、Aria+60mm Macro+85Bフィルター+ISO400設定(1/3オーバ目)。一眼レフだと、ファインダーの像がオレンジ色になってしまうが、ピント合わせは問題なかった。
今年も特攻桜が咲いてました。
Vision3 500Tを4分割してみた。400ft無い?
分割する方法はDouble Xと同じ方法で、ラベルリローダを2台使う方法でやった。Double Xと同じくフィルムの直径は160mm程度だったので、Double Xと同じく137回巻いてみたら大きすぎ、最後の巻も少なめになった。Vision3はDoubleXより若干厚いようだ。次回やる時には115回(25m)ぐらいでやってみることに。
保管用のPrestoの缶に入らなくて焦ってしまった。Tri-Xの缶にはどうにか入ってくれた。ローダもぎりぎりで、セットするのに苦労した。次回は1本分ぐらい、外で巻いてから入れようと思う。最初から最後まで全暗黒で行うので、予定通りでないと、焦ってしまう。
でも、Double-XとVision3 500Tの400ftの直径が同じで、Vision3 500Tの方がフィルムが厚いということは、Vision3 500Tが400ft無い可能性が高いと思える。
Plestoの缶が直径98mm程度なので、137回巻いた時の直径を99mmと仮定する。2インチコアは51mmなので、フイルムの厚さをtとすると、99=51+2x137xtとなり、tは0.175mm。(double Xは推定0.145mm)
厚さ0.175mmのフィルムを2インチコアに巻いた時、直径が160mmだった場合、巻かれているフィルムの長さは、103m=340ftとなってしまう。逆に、厚さ0.175mmのフィルムを2インチコアに120m巻いた時の直径は171mmないといけない。この計算が正しいとすると、35枚撮り80本が69本に減ることになる。いずれにしても、なにかがおかしい。
しかし、80本にしても70本にしても、そんな本数使い切る日が来るのかが問題。。