例えば小室三喜雄のピンホール俱楽部(閉鎖)には「ピンホール写真は年20前から作品表現の時代に入っています。」とある。なので、ピンホールカメラが映像表現に用いられ始めたのはたぶん1990年代ごろからということになる。これはデジタルカメラの導入の時期とほぼ重なり、一見矛盾している。しかし、デジタルカメラのフィルムサイズ(35mm of APS-c)を考えれば矛盾はない。35mmサイズのカメラのフランジバックでは超広角の画角は得られないからだ。中判や大判フィルムを用いるピンホールカメラでは35mmフィルム換算で15mm程度の超広角表現が普通にできてしまう。