LPL 35mm(&120)ステンレスリールへの巻き方

 LPLのステンレスリールはコツを覚えるまで大変で、そのためにあきらめる人もいるようです。私も独学で始めた最初の頃は手間取りました。しかし、それは巻き方のコツをよく説明したものがなかったからです。LPLのタンクだと、1本に必要な液量は250cc、2本で500ccとお得です。また、4本タンクも有り、十数本撮ったときなども、時間をかけずに現像ができます。また、現像ムラもほぼ起きない。

 なので、今回はLPLの35mmステンレスリールへのフィルムの巻き方の説明です。あまり詳しく説明したものは無いと思います。通常の説明では、フィルムをリール引っ掛けたあと、ただ戻しを入れながら巻いていくとしか説明がありません。しかし、リールに引っ掛けたあと、巻き始めるまでに、コツがいります。この部分の説明がないから難しいのです。巻けてる人は、その部分を無意識でやっているわけす。なので説明がない。また、フィルムのベロを切らないで巻いている人の動画もありますが、別に利点は無く、フィルムが斜めになり巻けない可能性があるので、やめたほうが無難です。現像の基本は、危険性のある方法は排除します。そういう意味では、ベルト式のタンクは、フィルムが密着して現像ムラの可能性が常に有り論外となります。なれれば、両溝ステンレスリールが安全確実です。

 まず、フィルムはセットしやすいように、フィルムのベロを切り、さらに角を切り落としておきます。

 次に、ダークバックに入れて、まずリールの内側の長方形に出た部分を探します。その下にあるのが、フィルムの差し込み口です。この差し込み口にフィルムを差し込み、両側のピンをフィルムのパーフォレーションの穴に確実に入れ、フィルムを固定します。ここで大事なのは、ピンが同じイチのパーフォレーションの穴に入り、フィルムが左右のリールと並行になっていることを確認すること。これが平行でないと、途中で溝からはずれ巻けなくなります。

 次に、写真左のように、半周ぐらい指で押さえながら、きつく巻きます。フィルムの巻き込みは、写真右の太い針金が内側に曲がっているところから始まります。この点が、フィルムの差込口のほぼ反対側にあります。なので、この点まで半周ぐらい、フィルムを指で押さえながら、芯に沿ってきつく巻きます。

 半周ぐらい巻くと、左の写真のように、ちょうどフィルムの巻き取るところがはじまります。この写真でレールの内側に曲がった部分が、フィルムをレールの溝に導いていることがわかります。(この部分でフィルムが溝にはいらない限りフィルムは巻けません。)ここからは、写真右のように、指で両端を押さえて巻き始めます。ここから大事なことは、少し巻いたら、フィルムを少し押し戻してフィルムがレールに当たることを確認しながら、巻いていきます。これが、確認できないようだと、巻き戻して、最初からやり直した方が確実です。そのまま、巻き進め、フィルムが無くなったら終了です。

 これから分かるように、フィルムをリールに止めてから、ゆるんだフィルムで、なにも考えないでフィルムを巻き始めても、フィルムが溝に入っていかない可能性が高いわけです。これが、ステンレスリールの巻き方が難しいと言われる理由です。なので、フィルムをリールに止めてから、半周先の溝の入口まで、芯に沿わせてしっかりと巻く必要がある訳です。たぶん、この部分を抜いて巻き方の解説をしている人も、はじめの部分は無意識にきつく巻いてるはずです。そこを伝えないと、説明としては意味がないわけです。 
 写真教室では、リールにとめてから、180度ぐいっと巻くとか、教えていました。しかし、その時には意味不明でしたけど、結局半周きつく巻くということだったわけです。

 実は今日写真を撮ってみて、初めて、なぜ最初の半周をきつく巻くのかを理解できました。最初は、期限切れフィルムなどの安いフィルムを使い、明るい場所で練習するのが一番です。

 なお、120(ブローニ)用のステンレスリールは、写真左中央の爪のあるところにフィルムを差し込み、爪で止めて固定したら、あとは巻き込むだけで、コツもなにも必要ありません。簡単です。ただし、35mmの場合と同じように、フィルムがレールと平行に差し込まれているか要確認です。最初に並行でないと、後で詰まります。写真のように、このリールでは、フィルムを溝に導入するレールの曲がった部分がそばにあります。なので、フィルムを止めたら、巻き始めて終わりです。35mmもこういう構造なら、簡単だったのでしょうけど、離れているから難しいわけです。

パターソンの現像タンク(システム4)

 これもベスト版(127)フィルムと同時に購入していたものを、物置のダンボールから発掘。このタンクで35mmが2本、ブローニ(120/220)が一本(120が最大2本)、そしてベスト版が1本現像できる。

 まだ使ったことがないので、YouTubeで使い方をみると、蓋が密着するので、LPLの金属タンクと同じようにひっくり返しての撹拌現像もできるようだ。フィルムはリールをくりくりひねることで巻き込む方式。パーフォレーション無しの硬いフイルムとかはこの方が巻きやすいだろう。リールはフィルムサイズに合わせて調整できる。また、120が2本巻けるようなので、溶液が500ccで済み、多く撮った時には便利かもしれない。ただし、2本巻くときには、重ならないようにテープで結合しておく必要があるようだ。たぶん、127も2本巻けるのではないか?

(写真はパターソンのHPより)

【2025/06/14】Marixの16mmリールで現像するときには、このタンクが必要。