Zero 6×9のフィルムの巻き上げには注意が必要

 最初のZero 6×9で試写した時に、フィルムの脇が被っているコマがあった。この理由を調べてみた。

 ブローニ(120)のフィルムを手動で巻き上げる場合、裏面に印刷されたコマ番号を見て行う。このコマ番号の間隔を調べてみたところ、平均92.6mmだった。6×9の実画面サイズはJIS規格では56mmx82.6mmのようである。なのでコマの間には1cm程度の余裕があることになる。しかし、Zero 6×9の実画面は55.4mm x89.3mm程度。したがって、3.3mmの余裕しかないことになる。なので、ちょっと行き過ぎたりするとコマがかぶることになる。

 同様に6×6の場合、印刷されたコマ番号の間隔は63.5mm。これに比べzero 6×9の6×6設定の場合の実画面は55.4×59.6mm。ちなみにJISでは56x56mm。したがって、6×6の場合も3.9mmの余裕しかない。
 ちなみに、Zero2000は55.5×54.4でJIS規格より若干小さめで、コマかぶりの心配は無い。

 したがって、Zero 6×9ではフィルム巻き上げの時は、数字の中心が小窓のセンターに来るように注意する必要がある。ノートリミングにこだわる場合には、敷居板の内側にフエルト等を貼り、実画面を若干せまくする必要がある。

Zero 6×9用シフトホールの位置

市販品でのライズの角度は30°~40°程度のようだ。焦点距離20mmで15mm前後(仰角37°)、50mmで35mm前後(仰角35°)。Zero6x9は焦点距離40mmなので仰角35°では28mm上にピンホールが必要となる。

しかし、Zero6x9には制約がある。まず前面の板の厚さが7mmもあり、103°程度の画角でケラれないためには、7/tan(90-103/2)=8.8mmなので、半径9mm程度の穴が必要。次にフィルムのタテ方向の長さは55mmなので、中心から端までは27.5mmしかない。なので、最大で中心から18.5mmとなる。実際には、タテのシフトは中心から18mmの所に半径9mmの穴をあけた。したがって、仰角はatan(18/40)=24°程度。
ヨコ方向のシフトは6×7を想定して、フィルムが長くなる分(70-55)/2=7.5mmを加えて25mmとした。、仰角はatan(25/40)=32°程度。
タテとヨコで仕様が違うが、撮った写真ではわからないだろう。

板厚の影響は、あとから考えて2mmの座金を前面から埋め込んだので、5/tan(90-103/2)=6.3mmとなり、余裕ができた。