Fomapan400と2浴現像は相性が悪い

今日はFomapan400をISO400設定で撮影し、2浴現像をしてみたが、やはり暗いところが黒がつぶれ相性は良くないようだ。途中にわか雨で雨宿りした。なお、初出動のOM-1nに問題はなかった。

明暗差のない場合には問題ないのだけど。
急な雨で雨宿りしたあずまやから。

今日の結果(うまく撮れたものをセレクト)

【追記】いろいろやってみたが、Fomapan400をISO400の設定で使うのは難しい。そもそも実効感度がISO160ぐらいしかないようだから。ならば、次に試すとしたら、Fomapan200をISO400に増感して見ることだろう。数を撮るとしたら、100ft缶を1万円程度で買えるのはFomaのフィルムしか無くなっている。

Foma400+Rodinal+3%炭酸ソーダ割の試写

 まだやっていなかったRodinal([1+50]/11分@20℃)+3%炭酸ソーダで現像をしてみた。現像液としては、SPDよりはこちらの方が標準現像液にしたいレベル。炭酸ソーダで割っているのでカリカリ感もない。結果としては良かった。

 Foma400としては問題のISO400の感度が無い件も検証してみた。画像左がISO400設定、右がISO200の設定。(右は壮大な後ピンだけども・・・。) 結果としては、Foma400の問題は、画像に光のレベル差がある場合、明るい場所はISO400取れているが、暗い場所はISO200以下の感度しかないこと。下の画像だと、ISO400では後ろの竹藪の中がほぼつぶれているが、ISO200では残っている。
 この写真の主題は鬼瓦なので、後ろが暗く落ちるISO400の方が適しているが、通常では残ってもらいたいこともある。なので、設定はISO400で、レベル差があり、暗いところをできるだけ残したいものでは一段開けて撮るという方法もありそうだ。
 結局、Fomapan400はラチチュードがせまく、ISO400では、暗い方は早く落ちていることになる。

ISO400 設定                               ISO200設定

2浴現像の試写 Fomapan400

 2浴現像の試写をやってみた。2浴の処方はA液(メトール:5g,無水亜硫酸ナトリウム:75g)/1L、B液(硼砂:10g)/1L。これを24℃にて4分+4分で現像。結果はY2フィルタを使っていることもあって、雲はよく出ているが、黒いところが潰れ気味。ISO感度250でやってみたが、まだ下げる必要があるみたいだ。Fomapan400の実効感度はISO160ぐらいと言われているので、あと1/3 or 2/3段下げてみる必要がありそうだ。しかし、今度は白いところが飛びそうだけど。
 撮影最後にフードをフイルターごと落としていたことに気づく。1kmぐらい戻って探したが、流石にそれ以上引き返すことは無駄と観念し、戻りながら捜索。結局最後の公園の草の中で発見し、事なきを得た。ゆるゆるフィルターには注意ということで。

久しぶりの散歩写真だったけど

少しだけ残っていた現像液のXT-3がへたっていたようで、ほぼ透明のネガになってしまった。でもScanするとそれなりの画像が出て、いつものネガが濃すぎることを再自覚。

[昔は東芝の半導体工場だったけど、今は京セラの工場]

粒子出まくりのFoma400から粒子を消してみた

 フィルム写真の世界では、超微粒子のフィルムや現像液の開発で、長年微粒子化の努力が続けられてきた。しかし、ノイズ除去技術はそれをワンクリックでやってしまう。粒子が粗いことで有名なFomapan400の写真から試しにPhotoDirectorで粒子を消してみた。とりあえず粒子が消え、すっきとしたレタッチ前のベースの写真になる。Fomapan400の粒子を楽しんでいる人もいるだろうが、安いという理由で使っている人には朗報なのではないだろうか。Double XをKodakが売らなくても、Fomapan400で無問題ということになりそう。趣味でやる分には、粒状性でフィルムや現像液を選ぶ時代は終わっているのかもしれない。しかも、カラーネガの粒状性まで修正できる。
 昔フィルムだけの写真の頃は、スキャンしただけの修正なしの画像とか書かれていたけど、今のスキャナソフトはスキャンするフィルムの銘柄を選ばせ、それぞれのフィルムに合った方法で自動修正して出力してくるのだから、「レタッチ無し」はあまり意味無いことだろう。

 結局、安いフィルムと現像液の最適組み合わせでネガにして、粒状性をソフトで制御し写真データを作り、プリントが欲しいときには、エプソンのプリンターで和紙に出力とかいうコースになるのだろうか?

Before (ネガスキャンの生出力) クリックして拡大すると違いは歴然。

[Canon nF1/nFD 24mmF2.8, Fomapan400 (320), SPD 1+1 11.0分@20℃]

After (ノイズ除去後)  ザラザラな質感が消えています。

 ただし、ノイズ除去の程度は0から100%で調整ができる。作例は100%の例。
 現代は、デジタル写真のカリカリ感が嫌われてフィルム写真風のノイズを載せる時代だから、ノイズを残して、ザラザラ感を保った方がよいのかもしれない。

Double-X 35mm(400ft)はB&Hでも販売中止

 Double-Xのようなシネフィルムは、コダック社が2024年10月から全世界的に映画以外への使用の制限を始めていた。(撮影する映画の、内容、監督、スタッフ等が求められる) これはコダックの経営陣の交代によるものらしい。 なので、切り売り業者への供給はストップしている。(継続するのはシネスティールぐらいかもと)  で、今日(2025/01/13)にB&HのWEBを確認したところ、メニューから消えてました。Double-Xは個人購入もできなくなったことになります。

 価格的には円安も手伝って6万5千円/400ft (16250円/30m)ぐらいになっていた。年に1or2巻の消費なら、無理にDouble-xでなくても、Delta400/HP5+でも良いのかもしれないと思っていたところだったので、まぁ、しょうがないかな。散歩写真にはFomapan400で十分だろう。ただし、Fomapan400はD&Hでは80数$でKentmere400より高いので、現在の9000円は破格の価格。この値段は今のうちかもしれない。(原価は昔と変わっていないのでしょう。)

Fomapan400 試写感想まとめ

Fomapa400一通り試してみた感想。
 このフィルムの特徴はやはり「粒子」。透明感を求める撮影には向いていない。逆に、昭和的なレトロな白黒写真を求める人には最適かもしれない。特に街中のスナップには粒状感も効果的だろう。使うときには1/3~1段ISO設定を落として使うことが重要。(コントラストが落ちる分はY2フィルタで補正。)最初からISO400で撮って標準現像をすると、白は飛び、黒は落ちることになり、このフィルムに失望してしまうことになる。そういう意味でも昭和なフィルム。微粒子といわれるFomapan200でよいのではと考えられるが、粒子はあまり減らないようだ。
 現像液はD-96(1+1) (たぶんD-76も)では軟調な仕上がりなので、少し現像時間を伸ばしてみることが必要かもしれない。XT-3(1+1)やSPD(1+1)はほどほどの仕上がり。XT-3にこだわる必要はなく、SPDで十分だろう。(以上、現像時間11分@20℃での話) ロジナールでどうなるかも別途やってみる予定。
 30m缶の価格が、Fomapan400が9000円、Kentmere400が1万5千円、Delta400/HP5+が2万円前後の現状では、選択肢の一つとして重要だ。1本(36枚巻)あたり450円と1000円(Delta400/HP5+)の違い。特に現状24枚巻にしているので、300円/本ちょっとだ。これに現像液が50円ぐらいで、合計400円/本を切ることになる。

【追記 2025/01/18】現像時間はSPD(1+1)11分@20℃でやったが、とまる氏のように11分@22℃にすると白方向が伸び、コントラストが上がるかもしれない。Y2フィルターもシーンを限らず常用で良いだろう。いずれにせよ、Fomapan400はSPDで良いだろう。しかし、Fomapan400だけで撮っていると、粒子のない写真が物足りなくなるのが心配。

【夕暮れの国分平野の遠景。】

Canon New F-1 with nFD28mmF2 with Y2 Filter Fomapan400(ISO320) Fuji SPD(1+1) 11分 @ 20℃

鳥インフル

 近年、鴨の飛来が増えてきています。過ごしやすいのでしょう。ここも飛行機の着陸コースなので、韓国同様なのですが、山の上の空港なので高度差があって、バードストライクの話は聞きません。

Formapan400 SPD(ISO200) & D96(ISO400)での試撮結果(3)

 今日はいつものコースでまず、ISO200で撮影し、SPD(1+1,11分,20℃)で現像したのが上の右の写真。階段も潰れずに出ている。左はISO400で撮影し、SPD(1+1,11分,20℃)で現像したもの。天気が違うのもあるが、言われているように、Formapan400の感度はISO200程度しかないのだろう。しかし、ISO200ではその分軟調になりコントラストが落ちている。

 これに加えて、一昨日ISO400で撮影していたネガを、D96(1+1,11分,20℃)で現像したのが以下の写真。今回もパトローネが盛大に光漏れをしていて、四角にトリミングしている。これも暗いところは黒く落ちているが、コントラストは適度にいい感じ。

  (機材はContax RX + Distagon 35mmF2.8)

結論としては、XT-3やSPDのメリットが余り見えないので、Formapan400はとりあえずISO250 or 350程度で撮影して、D96(1+1,11分,20℃)で現像する方向で使ってみようと思う。Formapan400をISO400で撮影してSPDで現像するのは、街なかのスナップには良さそうだ。[追記]ISO200で撮ってSPD(1+1)で現像したやつも、レタッチするといい感じになった。(以下参照)なので、肝心なのは、Fomapan400の場合は、ISO感度を落として使うことだろう。

SPD(1+1)の現像例(ISO200)
D96(1+1)の現像例(ISO400)

 ただし、やはり以下のようなコントラストの強いインパクトのあるのは、ISO400でSPDやXT-3を使った場合だろう。今回試写したなかでは一番好きなカット。なので、ISO250で撮っていて、状況に応じて、暗いところを黒く落としたいときには、露光補正で2/3段下げるのもありかと。そういう意味では、1段の差で性質が全く違うフィルムなので、スピードと絞り固定でスナップするには向かないだろう。

[ISO400で撮影しSPD(1+1) 11分@20℃で現像。一脚でF4ぐらいまで絞った。]

2番目がこの年輪。

[ISO200で撮影しSPD(1+1) 11分@20℃で現像。]

【最後の結論】
Fomapan400は難しいフィルム。ISO400で1巻撮れば素晴らしいコマと、だめなコマが混在する感じ。初心者が最初に使うフィルムではない。感度をISO200に落とせば逆に全てが平凡な感じになってしまう。手に入るのであれば、やはりダブルXの方が優れている。

Formapan400 XT-3 & SPDでの試撮結果(2)

 今日は、F1+FD30mmF2とFTb+newFD30mmF2で同じコマを撮影し、XT-3とSPDで現像しようと思ったのだけど、SPDの方でまた現像ムラが発生。違うカメラと違う現像液なので、原因はプラステック詰替え用パトローネの光漏れと思われる。とりあえず、プラのパトローネに巻いた分4本は消化したので、今度は使用済みの金属パトローネに巻くことに。2台ともローダがふさがっているので、片方無理やり巻いて空けないと。(と思って、ローダを見るとDoubleXがずいぶん残っていることが発覚。あと3巻分あるようだ・・。なので、追加注文は中止。少なくなった時に考えるということで。)

 現像はXT-3(1+1) 11分20℃と、SPD(1+1) 11分20℃で行った。両方とも薄めなので、12分ぐらいで良いのかもしれない。問題点としては、ラチチュードが狭いので、明るい所に合わせると、暗い所は飛んでしまうことになるようだ。

【2024/12/26追記】
 どうにかXT-3とSPDの現像が終わりD96も含め比較してみた。どれも同じ条件でスキャンした取って出しの状態。D96の場合は柔らかな感じで、暗いところも残っている。SPDとXT-Cはほぼ同じで、若干XT-3の方が硬い感じ。両方ともに黒が締まっている。やはり、Fomapan400を使うのは、このコントラストを求めているのだろう。D96では普通のうつりにしかならない。SPDとXT-Cでは1L用で価格差が約1000円あるが、その差はあまりないと思う。SPDとXT-Cはもう少し現像時間を短くしてもよいのではと思う。

左から、ISO200 D96(1+1)10分@20℃、ISO400 SPD(1+1)11分@20℃、ISO400 XT-3(1+1)11分@20℃
左のD96は撮影環境が違う。上半身だけ日が当たってる状態。たぶんD23とかでもD96と同じ感じではないか?なおレンズは左から、newFD35mmF2、NewFD35mmF2(F8,1/1000)、FD35mmF2(F5.6+1/2,1/1000)。

なお、参考までにD96をソフトで調整した後は以下。これと比べると、SPDやXT-3はこれ以上触れられない感じ。

SPD(1+1)の現像例(ISO400)
XT-3(1+1)の現像例(ISO400)
XT-3(1+1)の現像例(ISO400)
D96(1+1)の現像例(ISO200)