20WのLEDランプを探しているときに、UV LEDランプというものが引っかかった。文字どおり紫外線を出すLEDランプだ。ちなみに、昼色光のLEDは紫外線をほとんど出さないようだ。引き伸ばし機の発熱球をUV LEDランプに替えれば、ネガから日光写真が焼けるのではと思った次第。
現在35mmネガをもとに日光写真を作る場合、いったんパソコンにネガを取り込んで、実物大のネガをOHPフィルムのような透明のシートに印刷して、それを感光紙の上に置いて、太陽光で密着プリントするようだ。最近では、太陽光の代わりに、iPadのような紫外線スクリーン(投光器)で感光することもやられているようだ。しかし、デジタル化して印刷することにより、階調が失われることが欠点のようだ。
ネガを引き伸ばし機にかけて、白熱球で露光しても良いのではと思うが、問題は発熱球から出る熱。太陽光でも数分露光する必要があり、引き伸ばし機で数分露光すれば、フィルム自体が熱で傷んでしまうので、直接やることは考えられていなかったようだ。
すでに(2018年頃)、50WのUV-LEDを載せた基盤を、旧型の引き伸ばし機に載せて販売していた形跡もある。LEDの基盤と電源部はAmazonでも売っているので、工作をすればつくれると思うが面倒だ。実際高出力のUV-LEDタイプを使ってWEBに制作例を掲載している方もいる。しかし、キャビネ版ぐらいでも、露光時間は10時間ぐらい必要なようだ。(最近は3Dプリンター用の透過型LCDをネガに使っているみたい。)
現時点で手に入る電球型のUV-LEDの出力は15W(1000円ぐらい)しか無いが、とりあえず、Focomatのカラー・タイプのヘッドには収まるようなので注文してみた。しかし、これでは足りないようなので、高出力のスクリーン(投光器)タイプ(60W/3700円)も注文してみた。ランプヘッドの代わりにくくりつければなんとかなりそうな感じ。しかし本体から熱は出るようで、裏に放熱板が貼ってある。放熱用にファンも必要なようだ。
なお、日光写真に使用する薬剤は、赤血塩とクエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムだが、赤血塩(4620円/500g)はヨドバシにまだ置いていたが、クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウム(9460円/500g+2580円)は置いていなかったので、森本化成に注文した。送料だけで3000円近く取られたのは痛かった。だんだん写真用薬品は手に入りにく、かつ高額になっている。使用量は明確ではないが、クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムを10~20g/100mlぐらい、赤血塩を10g/100mlを水にそれぞれ溶かし、使用直前に同量を混ぜて、水彩画の画用紙に塗って、それを乾かして感光紙にする。クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムは量を増やしたほうが感度は上がるが、画像の濃度には関係ないようだ。一旦両薬をまぜた液は使い切らないと、保存性はないようだ。印画紙自体も一日ぐらいが限度のようだ。なお、市販のキットは、クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムが53.86/250ml、赤血塩が22.68g/250mlになっている。2:1のブレンドの特性がよさそうみたいだ。感度を上げるにはさらに、クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムを加える必要がある。
これらを塗布した紙も売らている。これにはなにか保存剤がふくまれているようで、保存期間が長い。