ガラパゴス市場と絶滅危惧種

国内ではフジが白黒フィルムと印画紙の販売をやめていよいよと言われているが、B&Hをみると多くのメーカーから大量の種類のフィルムと印画紙が販売されていて当分の間は大丈夫と思う。フジが撤退するのはNAGAOKAのような業界で秀でた製品と企業理念を持っていなかっただけ。フイルムと印画紙はハイテク産業ではないのでやり方次第で小回りの効く会社なら採算は取れる。

逆に我が世の春を迎えていたデジタルカメラもここ10年でひどいことになっている。売り場で閑古鳥が鳴いている状況。生産台数のグラフを見ると典型的な斜陽産業。(1990年代の銀塩カメラの生産台数は約3千万台/年あったようで、それと比べても現状は半分近く。) 写真はスマホで残せば十分ということだろう。機種自体の劣化が激しいのに、この状況では生産性を重視する変わり身の早いメーカの撤退が心配になるのでは。レンズ交換できる高額カメラも出荷が半分になり、機種も一眼レフからミラーレスになり減価償却が追いつかない。スマホの不満は夜景の撮影と望遠機能ぐらいとか。

なので、スマホで育った世代が写真が撮りたくてカメラを選ぶのは、スマホもなかった世代が選ぶのとは違った価値観にもとづいているのだろう。 「Pen」みたいな雑誌がライカ特集をやるのもその流れか。

(日本メーカー、2019年は見通し)