フィルム写真の世界では、超微粒子のフィルムや現像液の開発で、長年微粒子化の努力が続けられてきた。しかし、ノイズ除去技術はそれをワンクリックでやってしまう。粒子が粗いことで有名なFomapan400の写真から試しにPhotoDirectorで粒子を消してみた。とりあえず粒子が消え、すっきとしたレタッチ前のベースの写真になる。Fomapan400の粒子を楽しんでいる人もいるだろうが、安いという理由で使っている人には朗報なのではないだろうか。Double XをKodakが売らなくても、Fomapan400で無問題ということになりそう。趣味でやる分には、粒状性でフィルムや現像液を選ぶ時代は終わっているのかもしれない。しかも、カラーネガの粒状性まで修正できる。
昔フィルムだけの写真の頃は、スキャンしただけの修正なしの画像とか書かれていたけど、今のスキャナソフトはスキャンするフィルムの銘柄を選ばせ、それぞれのフィルムに合った方法で自動修正して出力してくるのだから、「レタッチ無し」はあまり意味無いことだろう。
結局、安いフィルムと現像液の最適組み合わせでネガにして、粒状性をソフトで制御し写真データを作り、プリントが欲しいときには、エプソンのプリンターで和紙に出力とかいうコースになるのだろうか?
Before (ネガスキャンの生出力) クリックして拡大すると違いは歴然。

[Canon nF1/nFD 24mmF2.8, Fomapan400 (320), SPD 1+1 11.0分@20℃]
After (ノイズ除去後) ザラザラな質感が消えています。

ただし、ノイズ除去の程度は0から100%で調整ができる。作例は100%の例。
現代は、デジタル写真のカリカリ感が嫌われてフィルム写真風のノイズを載せる時代だから、ノイズを残して、ザラザラ感を保った方がよいのかもしれない。