
これは20年ぐらい前に買った写真集(表装の絵はマティスだそうです)。アメリカの書店から通販で買ったけど、届いた時点でこの状態。背表紙がボロボロでとても見る状態ではなかったので、いままで本棚の肥やしになっていた。今日やっと本の補修屋さんに持っていて、読める状態に修理してもらうことになった。修理上がったらゆっくり眺めたい。 意外に本の補修屋さんて少ない。鹿児島では頼んだところしかなさそう。横浜にいたときにも探したけど、個人さんの方だった。
フィルムプリントの一番アナログ的なところが、数秒ずつ違えて段階露光をして、露光時間を決めるところ。普通に考えれば、印画紙の感度が決まれば、引き伸ばし機から出る光の照度で、おおまかな露出時間はきまるはずだ。なので、より狭い範囲で段階露光ができる。しかし、これを説明したものは見たことがない。実際、照度計とタイマーを連動したも装置もあるのだから、照度計があれば、計算できるはずだ。セコニックのL-308Bには簡易的な照度計機能がつているので、これを使えばなんとかなるはずと思う。
例えばキャビネで焼いたものを、8×10に焼き直す場合には、照度の違いぶん、露光時間を長くすればよいはずだ。ただ長時間露光なので、正比例していないことも考えられるが。これを機にちょっと実験してみよう。
引き伸ばし機のLED化実験をやろうと思ってパナの40WのLEDを買ってからはや数年。ようやくFocomatを使って実験ができた。通常使っているのはGEの150W。これを使ってFOCOTARをF8に絞って焼いた適正露出が6秒ぐらい。(ちょっと焼きすぎだった。) これに比べ、パナの40WのLEDは光量が多く、2.5秒ぐらいだった。なので、白熱球にくらべ約半分の時間になった。LEDの方が適正時間だったためか、よく見える。(フィルター特性(号数)が変わってるためかもしれない) とりあえず代替えとして使えそうだ。20Wに落としても時間はあまり変わらない可能性もあるが試す価値はありそうだ。(ダイソーを要チェック) このままF11まで一段絞って使うのもありかも知れない。
左が150Wの電球(6秒)、右が40WのLED(2.5秒)。左はプリントではオーバ目だけど、Scanしたらちょうどいい具合に。右は3.5秒でオーバ目だったので2.5秒にしたけど足りない感じ。LEDは電球に比べ硬めになっているよう。紙はイルフォードのCool Tone (perl,5×7)、フィルタは2号。現像液はデクトール(1+2)。機材は、Contax Aria with Planar 50mm F1.4 Kodak Double-X(250) D-96(1+1) 20℃9.5分。
LED化はコントラストが高く、シャドーが潰れにくいという評価があるそうだけど、その通りの結果。号数が1号ぐらい上がっている感じがする。熱でフィルムが痛むのを心配する必要もない。
昔Cold Lightというのをべセラに付けてやってみたことがあるが、蛍光灯みたいに光が安定せず使い物にならなかった。光が安定するまで待つ必要があったようだ。しかし、現在のLEDは、当初のLEDと違って電気に反応してすぐに発光するので、その意味では全然問題がなくなっている。
VC7700の方は、ハロゲンランプのピンがまた錆びてないか心配だったけど、ランプが灯って一安心。
【追記】20WのLEDランプは流通していないようで、ダイソーにもなかった。なのでヨドバシの2個700円ぐらいのものを注文。
霧島ついでに、2011年に大噴火する30年前の霧島・新燃岳火口です。昔のプリントをスキャンしました。写真自体は退色していますが、GT-X970の退色補正機能で驚くほどきれいな色がでてきました。写真の通り黄緑色の大変美しい火口湖でした。60年代の007では、この下が秘密基地という設定でした。まあ、秘密基地にしたくなるような景観でした。この写真は東から西に向けて撮った写真で、多分前の山が大浪池の山で、右側に韓国岳があります。この火口は今は溶岩ドームで埋められてしまって、盛り上がってます。
この時は会社の夏休みで、高千穂河原から中岳、新燃岳、韓国岳を越えて、えびの高原に降りる縦走ルートを普段着で歩きました。噴火まえには自由に火口に近づけてました。火口一周もできたようです。現在は噴火警戒レベルは1まで下がったようですが、火口1km以内はいまでも立ち入り禁止です。なので縦走はできず、韓国岳から獅子戸岳までは従来の縦走路で、新燃岳を迂回するために、そこから大きく北側に回り高千穂峰に北から登り、高千穂河原に下るコースになるようです。
こちらは2018年3月に小噴火したときに、霧島温泉のホテルの上空に飛来した噴煙です。
【国分の市街地越しの霧島連山】
溜まっていた3月のフィルムを現像した。いつもは32℃ 7分で現像していたが、標準が8.5分ということなので、試しに8分で現像したところオーバー気味で粒子が見えすぎ。次回は7分に戻す予定。 おまけに85Bフィルターを付けたフード(適合焦点距離が35mm以上と書いてはある)で四隅がケラれていた。こちらは次回UVフィルターをはずしてみることに。やはりタングステンフィルムは素直に85Bフィルターを使った方が、WBの手間もなく、自然な色がでる。
2024/03/21(Leica M6+50mmF2+85B Filter)
2024/03/29(Lomo LC-A 85B Filter無し)
気づかなかったけど、昨日は4月5日で「シノゴの日」だったのでは?
【EBONYとリンホフの共通の問題点:レンズボードが#00番】
このレンズは中版用カメラのレンズで#00番という穴の開いた4×5用レンズボードが必要です。このタイプのレンズボードは特殊で中古や出来合いの製品ではほぼ流通しておらず、専門店で穴の開いていないリンホフボードに開けてもらうのが普通です。なので、レンズボードがついてないレンズ単体や中版用レンズボードに付いたものを入手した場合、ひと手間かかります。4×5のリンホフボードが付いたレンズが狙い目です。
【注意点】WISTAのレンズボードはリンホフのボードと形は同じですが、レンズの取り付け穴がボードのセンターに開いているそうです。リンホフのボードはレンズ取付け穴がボード中心から約8mm下にオフセットされているそうで、ウイスタのボードをリンホフで使う場合は約8mm像が上にあることになります。イメージサークルが小さいレンズでは切られることにもなります。
【EBONY New45sで問題ないことを確認】
EBONY New45sでスーパーアンギュロン65mmF8(平板に取り付け)を付けて撮ったことがなかったので、ピントの確認をしてみました。New45sのフランジバックの仕様は65-275mmとのことです。なので、ピントはぎりぎり来るはずです。今日はあいにく雨で家の中から無限遠のものを見ることはできず、30mぐらい先のアパートの屋上にある給水塔を目標にしました。結果は7mm程度の余裕でピントが合いました。なので無限遠も大丈夫のハズです。したがって、スーパーアンギュロン65mmF8を使う場合には、リンホフテクニカよりピント合わせは楽ということになります。
【リンホフ スーパテクニカでの問題点】
①リンホフテクニカで、ピント調整ができる可動レールに載せた時の最小フランジバックを測ったところ88mmぐらいでした。なので平板のレンズボードで使用できるレンズは90mm程度までということになります。したがって、65mmのレンズは格納時の固定レールの上でピント合わせをする必要があります。
しかし、固定レールで調整できるフランジバックの距離を測ったら38~75mmぐらいまででした。したがって、65mmを平ボードに付けたらピント調整可能ですが、例えば20mmの凹みボードにつけたらフランジバックの範囲が55mmまでとなり、65mmのレンズはそのままでは使えないことになります。この場合、後ろのフィルムバッグの部分を後ろにずらしてやる必要が出てきます。なので、凹みボードに付けた場合の方がピント調整が厄介になります。
②では、30mm程度の凹みボード使い、可動レールでピント調整すれば良いように見えます。しかし、65mmのレンズの場合には、前蓋を90°からさらに曲げて120°程度にしないと、前蓋が画面に映り込んでしまいます。そのため、リンホフの場合、65mmレンズのピント調整を可動レールの上で行うのは、最初からできないのです。したがって、Super Angulon 65mmF8を使う場合、平ボードに付けるという選択肢しかありません。
[ヘリコイドによるピント調整] ピント調整機能(ヘリコイド)のあるアダプタと、このレンズを組み合わせてある個体もあるようです。固定レール上での、ピントグラスでのピント調整は苦になるものでもないので、これは目測撮影を行うためのものと思います。
【EBONYとリンホフの共通の問題点:イメージサークル】
4×5のフィルムで必要なイメージサークルは150~152mmぐらいとされてますが、Super Angulon 65mmF8のイメージサークルは155mm。ほぼ同等なのでアオリは使えず、周辺減光も大きいことになります。しかし、トリミングを前提とすればアオリもありです。
もう一台ある4×5のカメラが黒檀とチタン鋼の材料でできているEBONYのNew45Sです。後ろ枠の部分も前枠と同様に上下左右に振れるようになっており、アオリ撮影が容易です。フランジバックは65-275mmなので、300mmの望遠レンズは乗らず、標準から広角レンズ用です。(スーパーテクニカは300mmでも大丈夫です) 65mmより短いレンズは凹みボードが必要です。(しかし、こちらにはまだスーパーアンギュロン65mmF8は、付けたことはないような気がする。)写真では軽るそうですが、それでもレンズなしで2.1kgあります。最初に発売されたのが1990年のようです。これは20年ぐらい前にヤフオクで入手しましたので、製造は20数年前ですが、黒檀とチタン鋼なので経年劣化は感じられません。4×5の撮影は難しそうに見えますが、アオリをしなければ、スクリーンでピントを合わせ、露出を合わせば普通に撮れます。
なおリンホフのように手持で撮ることは最初から考えられていません。フォールディングが悪いというか、できません。三脚とのセットで使います。また、このNew45sは、フレームを倒して弁当箱みたいにたたむことはできません。L字型のままで収納です。
たぶん、リンホフスーパーテクニカに内蔵の距離計(レンジファインダー)の特性と、各レンズのピントの合う位置の特性が違うので、そのずれを解消するような機構になっているのでしょうね。なので、指定のレンズでないと同じ焦点距離のレンズでも合わないという結果も起きるということですね。
【追記 2024/04/05】カタログを読むと、リンホフの販売店を通して購入したレンズには、それに合わせたカム(& 目盛盤?)が添付されるという販売方法だったようです。なので、焦点距離が同じであっても合う保障はありません。
したがって、120の67等の撮影で、カムは無いがどうしてもスクリーンでのピント合わせができない(or したくない)場合は、内蔵の距離計を使わずに、使用するレンズに合わせて、レーザ距離計で測って校正した目盛盤を作りレールの横に貼れば、レーサ距離計(or 目測)の距離で撮影ができます。例えば、使用するレンズの無限遠のピントの位置が、無限遠の目盛の位置です。次に、正確に例えば5mの位置に置いた物をスクリーンでピントを合わせれば、そこが5mの目盛の位置です。こうして何点か測れば目盛盤ができます。撮影時には対象までの距離を、レーザ距離計(or 目測)で測り、出た距離で目盛盤に合わせればピントは合っているはずです。もともと、手持ちでリンホフの距離計のピントを合わせる(2重像を合わせる)のは重くて至難の技です。CAMBO WIDE等のピント合わせも、ヘリコイドに記載の目盛盤に、目測した距離を合わせるだけです。
そういう意味では、35mmのライカなどのレンズを交換できるレンジファインダータイプのカメラは、うまい作りになっていることになります。当然仕様があって、それに沿って、ボデイ側とレンズ側がつくられているのでしょうけど。それに対して、大判レンズは距離計を意識していないので、仕様がばらばらなんでしょう。
リンホフの使いかたを説明したWEBのページはほぼ無いので、レンジファインダー機能の使い方は知りませんでしたが、予想でやってみたところ、機能しました。レーザ距離計で測って0.9mの所がリンホフの距離の目盛では1mちょうどで、4~5m先のスナップで使うにはほぼ問題ないレベルでした。購入後20年目にして使い方が分かった。。
すでにレンズに合ったカムが設置してあり、距離計が調整してある場合の使い方です。
①リンホフの前蓋を開くとこんな感じです。小さなレンズなら付けたままで収納できます。
②次に一番上のレールをレンズが載っているレールまでさげます。左側の2つのボタンでレールのロックがはずれます。
③レンズが載っているフレームを、前の2つのレバーをはさんで、レールに沿って引き出します。
④上のレールも元の位置に戻します。
⑤レールの脇に付いている「赤色の無限ストッパー」を立てます。150mmは赤色のようです。したがって、最初にこの位置の先まで、レンズのフレームを引き出しておきます。
⑥ストッパーで止まるところまで、レバーをつまんでレンズのフレームを戻します。
⑦この位置で、一番上のレールについている「⇒」が目盛版の「無限」の位置にあります。
これがレンジファインダーで使う時の最終形です。一番上のレールは収納時の位置にあります。したがって、距離計を使わない場合でも、150mmレンズの位置はこのあたりになります。90mmは若干後ろ。
平ボードについている65mmは収納されてるレールの上でレバーをゆるめて、手動でピントを調整します(前のレールでのピントの調整機能はつかえません)。凹みレンズボードについている場合は、微妙な位置にあるらしく、これではピントが来ないようで、フィルムの載るバックボードを後ろにずらします。(凹みレンズボードなら、前のレールでピントが来てもよさそうですが?)また65mmの場合は、前蓋が90°の位置では、映り込んでしまうので、120°ぐらいの最大位置まで下げます。
なお重量はカタログに6ポンド1オンスとあるので28オンス(1オンス≒28g)、だいたい2.7kg。なので、これにレンズ、及び67or69のアダプタを付けると4kg弱。なので手持ちで撮るには体力と覚悟がいる。手持ちで持って、本体のレンジファインダーの2重像でピントを合わせるのは無理なような。
風景写真でこの機能は不要なので、レンジファインダー部を取り外してもらっている人も多いようだ。最初から付いていないモデルもある。