最近のディジタルカメラの出荷台数

 2023年のカメラの出荷は単価のUpで売上は5%程度伸びたが、台数は4%程度減少したようですね。しかも、この円安を考えると$ベースでは落ち込んでいるのでしょう。合計では800万台を割り込み772万台とのこと。レンズ交換式では一眼レフの落ち込みをミラーレスで補って若干伸びてますが、2019年の824万台にくらべ2023年は599万台と回復する見込みは無い模様ですね。スマホに食われたディジタルカメラには明るい未来はなさそうです。最近は新しいアナログフィルム風フィルターとかがニュースになるようでは、ほぼ末期症状に近いような。そもそも20年来のAPSサイズがいまだに存在している時点で進化していない。

 2000年代初めの最後のアナログカメラブームの頃は、2,30万出せば、M6とかハッセルとかの新品が買えたけど、今どきのハイエンドのデジカメはその倍はする。3,4年で陳腐化する機種にそれだけ出すのは、商用ベースの人しかメリットはないだろう。メーカは計画的陳腐化だけが生き残る道なんだろうけど。

 携帯にカメラが搭載されたのが1999年。iPhoneの発売が2008年。携帯がスマフォに置き換わったのが2010年以降。ということで、デジカメと携帯はまだ共存できていたけど、1000万画素を超えるiPhoneが出てからデジカメが売れなくなったのが、グラフを見ればわかる。この20数年はカメラ産業にとって激変の時代だった。また、往年の写真雑誌も役割を終え休刊していった。

 さらに最近のフィルムの高騰により、フィルムの本数が減っていることにより、DPEで採算が取れる状況ではななくなってるでしょうから、DPE料金の値上げや、町のDPE屋さんの減少は避けられない。残るのは大手のショップだけになるのでは?

 いま、写真に興味がある人の形態を別けると、こんな感じか?
①最新のディジタルカメラに数十万投資できる層
②コンデジで撮ってる層
③スマフォで撮っている層
④高いフィルムと現像料金でも、撮る本数が少ないからやっていける層
⑤シネマフィルム&長巻フィルムと自家現像で本数をこなす層
 結局写真産業にお金を落とす人は増えそうにない。

リコー版写ルンです(LX-55W)をハードオフで

 ハードオフのジャンクのカゴの中にきれいな個体がまじってたので拾ってきた。古い電池が入っていてシャッターも切れない状態。でもたぶん動くでしょうということで、宝くじ感覚で、330円で御購入。実は太めのストラップがついていて、それだけでも良かった。フィルムの安い頃(300円ぐらい)は、このような機種も売れたのだろう。定価が1万5千円だったらしい。Lomoもにたような機能だ。
 
 帰ってから電池(単3を2本)を入れてみたがびくともせず。ネットで調べたら、レンズの蓋が電源スイッチだった。レンズの蓋を開いて、シャッターボタンを押すと、フラッシュまで点灯。ということで、たぶん写りそう。状態としては、フィルムタイプを確認するところに貼ってあるモルトがボロボロだったので、剥がした。確認窓は不要で光線漏れの原因にもなるので、あとでふさぐことにしようと思ったが、パトローネの押さえにもなっているような気もするので、張り替えた。他はきれいにしている。このカメラ単3電池を2本入れた状態で266gとそんなに軽くはない。

 基本「写るんです」だと「晴れ」用の一つの組み合わせしか無いが、LX-55Wでは速度と絞りが4段階でプログラム(1/50sF4.5, 1/100sF4.5, 1/50sF11, 1/100sF11)されているらしく、明る所のF11だったら普通の写りになることを期待。ISOは100と400のDXコードで自動設定のよう。しかし、晴れた日にはISO400では無理そうな気もする。(カラーならだいじょうぶ?)レンズは3群3枚玉のF4.5。シールが貼ってあるように一応生活防水らしい。Date機能もつているが、2020年前までの表示しかしないらしい。Contaxなんかでも同じだ。

 写ルンですのISO400は、『絞りF10、シャッタースピード1/140秒』らしいので、どうにかなりそうだ。ネガフィルムのラチチュードの広さを利用しているようだ。明るい所はオーバ目だが、暗い所でもF11で対応できる可能性がある。逆にISO100では暗いとF4.5の開放で撮ることになり、近くしかピントが合わなくなる。このカメラ、フラッシュの強制OFFの機能は無いので、あまり使うことはなさそうだ。

カラーネガ写真&現像を始めて1ヶ月たった感想

 1月15日にVision3 500Tの初撮りをしてからはや1ヶ月。4本の撮影と現像をした感想。

 カラーネガの現像というのは温度管理が大変でハードルが高く、またポジに及ばないという偏見からこれまでやってこなかったが、 意外と簡単で、その結果もポジに近いものが得られることが分かった。『カラーネガは温度管理がシビア』というのも都市伝説に過ぎず、意外と許容範囲が広そうだ。低温調理器という、ぐるぐるタンクを回す機材をYoutubeで見かけるが、個人の現像だと全く不要だ。シネマフィルムのリムジェット層もダイソーの重曹で簡単に落とせる。白黒現像をやっているのであれば、その延長線でなんら問題ない。

 また、カラーネガを始めるにあたって予備調査の結果次のものを購入していた。
①カーラーネガフィルム コダックVision3 500T(タングステンフィルム)
②タングステンフィルムの昼間撮影用の85Bフィルター
③レタッチソフト(Silkypix)
 タングステンフィルムで昼間撮るには85Bフィルタが必要という情報をYouTubeで得たが、結局フィルター無しで撮っても、GT-X970にScan付属のソフトで調整できていた。85Bフィルタは結果的に不要だった。(ただし、プリントに出す予定があるのなら必要かもしれない。) 200Tや500Tの作例で青色にころんだものを見かけるが、単に露光不足ではないかと思う。 【追記】200Tや500Tの作例で青色にころんだものは、Scanに付いているソフトの問題で、GT-X970の場合には自動で修正してくれていた。SilverfastというScanソフトはタングステンフィルムに対応しておらず、青みの調整はしてくれないので、85Bフィルターを付けるのが無難。

④Marix C41カラーネガ現像キット(シネフィルム用にECN2現像キットもあるが、C41の方がコントラストが良さそう)
⑤リムジェット除去用の重曹(ダイソーで買える)
⑥リムジェット除去用のコットンのウエットシート
⑦現像液用の1Lタンク(複数)
⑧デジタル温度計
 (ディジタル温度計は不要かもしれないが、便利は便利。高いものでもない。)

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 without 85B filter Vision3 500T (ISO400設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】これはGT-X970付属のソフトで読み込んで調整したもの。

こういうものでも、デジタルカメラで撮ると明暗がつかず、はっきりくっきり撮れてしまうので絵にならない。白黒以外にカラーも撮ることで気分転換にもなる。

V3 500Tの85Bフィルターの必要性の検証

 カラーネガ現像4本目の今日は85Bフィルターの必要性の検証のため、フィルタを付けていないT3で撮ってみた。結果としては、スキャナの読み取りソフトとSILKYPIXの自動調整で、85Bフィルタは無くてもだいじょうぶみたいだ。なので、カラープリントに出さない限りはフィルター無しでも問題はないみたい。これで24×24カメラでもカラー写真が撮れる。
 ISOはやはりプラス補正で400程度にしたほうが色乗りが良いようだ。
 散歩写真(カラー4本目) 

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 without 85B filter Vision3 500T (ISO400設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】(白飛びがあるので7分ではまだ長いのかも。)

春近し

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 without 85B filter Vision3 500T (ISO500設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】

 国分の図書館に本を返しに行くみちすがら、もうれんげが咲いてました。Vision3 500T 2本目の現像。今回はISO500の設定。現像手順は1本目と同じで32℃7分、再現性はだいじょうぶなようだ。散歩写真
 しかし、同時に現像した3本目には光線が入っていた。パーフォレーションが写っているので、たぶんダークバッグでの作業中に入ったのだと思う。カメラ本体を別途チェック予定。

 【追記】白黒ネガで試写してみたが、カメラ側には問題は無かった。あの光は、パトローネではないだろう。やはりダークバッグでの作業と思われる。

TAXONAと手ブレ

 初撮りでは低速シャッターの時に手ブレのコマが多かった。このカメラは軽く(364g)、シャッターボタンを押すのではなく、回すタイプなので、カメラ自体が動いてしまう可能性が高い。シャッターを押すのに違和感もある。幸い今回入手したTAXONAはシャッターレリースが付くタイプなので、手ブレ防止用に、短いレリーズはないかと探したら、ローライコード用に希望するものがあった。ローライコードもシャッターボタンではなく、TAXONA同様回すタイプなので、手ブレが起きるのだろう。3千円と高いけど試す価値はありそうだということで、早速オーダしてみた。

 Robotは重量が倍あるので、手ブレの問題は感じなかったが、その分普段使いには重いということになる。TAXONAはスナップ向きということだ。

【2024/02/11追記】上のレリーズ届いたけれど、TAXONAにはサイズが小さすぎて、シャッターにとどかず残念ながら使えませんでした。スローの時には、普通のレリーズのケーブルが短いものを使うしかなさそう。

TAXONA試写結果

 ようやくTAXONAの試写と現像[D-96(1+1)20℃ 9.5分]。どうにか写っていそう。コマ間の重なりもなく、コマ送りは問題なし。厚みのあるプラスチックの軸受のせいか、コマが中央から若干ズレていることが気になるが、そんなに問題ないだろう。コマの間隔はスケッチと同程度の広さ。24枚撮りで34枚撮れた。最初を早く始めればあと2枚程度は増えそう。巻き上げも、右手の親指で巻き上げレバーを押すと、そんなに重くは感じなかった。これであれば普段使いができる。

流石にTessar、予想通りに、はっきりくっきりな画像でした。ただ、本体が軽いのと、シャッターボタンが特殊なので、暗い場所での低速は手ブレが多かった。実際上に張ったネガのコマもブレブレだった。しかし、晴れた日のスナップにはなんの問題もないだろう。

TAXONAの教え(II)

 写真左下のOリング(外径8.1mm 内径4.5mm 幅1.8mm)が届いたので、オリジナルのスプールに付けて試したところ、そもそも、スプールが歪んでいて、うまくフィルムが巻けていないことを発見。しょうがないので、長巻フィルムを巻くパトローネに入っている普通のスプールを使うことにした。どうせフィルムは都度テープでとめることにしていたので、フィルムの止め穴が無くても問題はない。ただし、用意したOリングはオリジナルのスプールには合っていたが、このスプールには穴があって固定できない。

 あと、軸の遊び防止用のLR44のケースは柔らかく弱々しいので、PR44が入っていた硬いプラスチックのケースを使うことにした。穴は鉄のタンブラーを焼いて開けた。中心に空いてないけどまぁいいかということで。最初スプールの軸が軸受に入らず、フィルムを入れるのに苦労したが、写真のように、もともと予定してた、パトローネの蓋を巻軸のスプールにそえることでスプールが水平になり、まっすぐ軸受に入るようになり、問題は無くなった。これでフィルムの最後まで巻くことができることを2回確認した。これでやっと試写ができる。

Silkypixで再調整

 一旦ボツにしていたコマもSilkypixで調整したらまともになった。2千3百円でも有料ソフトは違う。やはり、カラーネガにはレタッチソフトは必須のようだ。

【追記】Silkypixは 販売キャンペーンが終了したようで、価格は倍以上になっている。

ボタン電池の電圧(テスター導入)

 持ってるFTbなどは、カメラ側のバッテリーチェックが働かないので、テスターを買って見た。値段も千数百円であまり考える値段でもない。バッテリを測ってみると、LR44やSR44は1.55v前後。PR44は1.4v。LR44もへたってきたものは1.4vに近いものがある。全然だめなのは1.2v以下の感じ。これで、気分ではなく、電圧の数値で判断ができるようになった。
 SR43から電圧を変換するアダプタでは正常な電圧値を示さず、テスターの内部抵抗などの問題があるのかもしれない。いずれにせよ、水銀電池の代替えはPR44で十分。寿命もそんなに短くはないみたいな感じではある。今度記録してみないと。

イーストマン・コダック シネマフィルム値上げ

 知らなかったけど、コダック社のシネマフィルム、Double-XとVison3が2月1日から5%値上げされたようです。400ftで52,500円になってます。

 ちなみに、Try-Xは1月からパッケージ売りが2割ほど値下げされたそうだけど、1本当り3000円程度が2500円程度になっただけで、焼け石に水。白黒フィルムもDouble-Xの一択しかない。これだけ値上げしたら流石に売上は先細りだろう。