最初で最後だった尾道 幻のタイル小路

 これを撮影したのは2002年5月のゴールデンウイーク。飛鳥から京都を巡って尾道という若干変則なコースで尾道を訪れた時。尾道でのメインはやはりタイル小路。ここはずっと残るものと思ってましたが、裏では撤去の話が持ちあがっていたようです。翌年2003年3月始めの週末には小路に埋め込まれているタイル以外は撤去され、休み明けには掃事務所に持ち込まれたため、市観光文化課で保存されているようです。なので、2003年のGWに訪れたときには、道案内の看板もはずされ、タイル小路は無かったことになってました。それでも、まだ空き家だったので、小路は通れてましたが、最近では左側の家もリフォームされ、私道表示もされたようなので通行も制限され、ほぼ完全になくなったことになるようです。いずれにしても、ここは私有地なので。

 タイル小路は住人の方が、自分の家の通路にタイルを敷いたのが始まり。これが、映画「時をかける少女」(1083年公開)にロケ地として使われ、一躍有名に。ロケ地巡りで訪れる観光客も増加した。観光客は、思い出ノートの代わりに、住人の方が用意したタイルを少額で買ってメッセージを残し、それが通路の脇に飾られ残された。しかし、観光客の騒音などの周辺住民の苦情や、始めた住人も高齢化などにより管理ができなくなって、撤去という流れになったようです。やはり、個人の住居で始め、公共の支援もなかったことに無理があったのでしょう。

 この時に撮影したものが、最終期の観光名所幻の「タイル小路」の記録になったことになります。

【2002年5月GW】これは2024/11にスキャンしたポジ。ポジのフィルムの経年劣化はほぼ無かった。