KODAK ダブルX 400ftからの巻直し方法

 KODAK ダブルXは比較的多くの人が写真用に使っているはずであるが、400ftから100ftへの巻直しの器具について説明したHPは少ない。以下のサイトが説明しているサイト。100ftのフィルムローダを400ft用に改造した人もいるが、たぶん数回しか使わないので、それをやる気力はない。ここでは、できるだけ工作を省き、市販の既製品で、400ftから100ftへの巻き直しを対応することを考えてみた。

[400ft->100ft巻直し機]
画伯の雑記 – 2020年11月3日 フィルム巻き機を自作しました。
フィルム巻き直し機を作る 材料・設計編
シネマフィルムをカメラに詰めて海へ
Kodak DoubleXの使い方

[400ft フィルムローダに改造]
画伯の雑記 – 2021年3月24日 400ft巻が入るフィルムローダーを作りました。

 400ftから100ftへの巻き直しは、フィルムのリールを垂直に立てた状態で行う方法と、横にねかせたままで行う方法があるようだ。横に寝かせた場合には、リールを回すのに手間取ると思うので、立てた状態で行う方法にした。基本的には糸巻き車のイメージで考えた。HPでは木工細工で器具を制作しているが、素人が作ったのでは不安定になると思われるので、探したところ、以下の写真のように、プリンタで印刷したラベルのリワインダーというのが3000円ぐらいで売られているのを見つけた。横棒の直径は25mm弱であり、ダブルXの芯の内径25.2mmにちょうど合うことになる。25mm(1inch)はこのようなリールの業界標準規格のようだ。

 空きフィルムパトローネに1本づつ詰める場合には、リワインダーにダブルXのフィルムリールを載せて、フィルムローダについているLクランクの取手(上の写真のフィルムの隣)を使い、パトローネの芯を回すことで、詰めることができる。
しかし、この場合長時間真っ暗ななかで作業することになり、やはり100ftに巻き直す方が現実的である。また、使い切った空の金属パトローネの場合、フィルムを暗闇で継ぐのが難しそうである。リユーズのプラステックパトローネの場合は問題なさそうであるが。(100ft巻からであれば、暗袋でやれそうではある。)

 そこで考えたのが、このラベルリワインダーをもう一台用意して、片側に100ftの芯になるものを付けて、100ft巻く方法。芯の候補としては、直径が38mmと若干大きめではあるがトイレットペーパの芯が良いのではないかと思う。この芯を軸にテープで仮留めすることで、取手を回して巻き取ることができるようになる。2台で5,580円とちょっとした出費だが、工作不要で土台が倒れるとかのリスクが無いところが良いところ。巻き取る長さは正確には測れないが、100ftフィルムローダの内側の直径より若干小さめの大きさ(直径9cm弱)ということになる。

 ただし、100ftフィルムローダの軸の直径は8mmなので、そのままでは15mmぐらいの間が空き下に落ちて、ローダの底をフィルムがこすることになる。したがって、①この15mmを埋める、内径10mm程度、外形35mm程度のドーナツ状のスペーサを作るか、若しくは、②100ft巻を10数mmの芯に巻くように考えるか、どちらかの対応が必要。前者①は36mmぐらいの丸材の中心に10mmの穴を開けてもらうことができればよさそう。後者②は、プラステックの横軸の代わりに、10mm程度の丸材を軸とし、それに下の写真のような取手を付ければ良さそう。芯は厚めの画用紙を丸めて作ればどうにかなりそう。後者の方が、機械工作は必要なさそう。

 期限切れ長巻フィルムを1巻ヤフオクで落としてしまったので、実際に使ってみるのはまだ先になりそう。このラベルリワインダーは、分解も可能と書いてはあるが、固定するつめが折れそうなので、このままの保管が無難だろう。

[追記・結論(2023/04/19 18:09)、修正(2023/04/20 15:00)]
以下のページの情報によると、いつも捨ててしまうので手持ちはないが、100ft巻の長巻フィルムのコアの外径は約25mmとのこと。(当然内径は100ftフィルムローダにフィットする。)
フィルム巻き直し機を作る 材料・設計編
したがって、100ft巻の長巻フィルムの芯(コア)に合わせて、直径25mmより若干大きい100ft巻き直し用の芯(コア)を厚紙で作れば、写真のラベルリワインダにもちょうどはまり、また100ft長巻フィルムの芯(コア)がそのままスペーサとして使えることになる。したがって前者①の案の採用となる。

さらにコダックon line shopには、直径2inch(51mm)内径25mmのコアが121円(送料792円)で売っている。これに巻けば、手作り作業がすべてなくなる。 必要なものは「100ft巻の長巻フィルムの芯(コア)」のみ。ただし、fuji,kodak,ilfordは小さなコアだが、上のHPの情報だとフィルムによってはこの内径の大きなコアに巻いてあるフィルムもあるようだ。Double-Xのフィルムの厚さは0.145mm程度であり、2inchコアの場合、計算により137回巻くことで30.5m巻くことができ、巻いた後のフィルムの直径は91mmとなり、6mmの余裕で巻くことができる。(APのローダの内径は97mm。)ただし、キツめに巻く必要があるだろう。【2023/10/03修正】

結論としては、(1)コダックの2インチ(51mm)のコアを用いる。若しくは、(2)トイレットペーパの芯をたてに割って、「100ft巻の長巻フィルムの芯(コア)」に合わせ、内径25mmより若干大き目の芯を作る。(この場合の回転数は202回。巻いた後のフィルムの直径は71mmとなる。)
そして、パトローネにフィルムを巻く時には、まず100ftのフィルムローダに「100ft巻の長巻フィルムの芯(コア)」を取り付け、その後に、100ftに巻き直したダブルXのフィルムを取り付けることになる。

「KODAK ダブルX 5222」届く

17日(水)の午後に注文して、今日19日(木)の午前に届いてしまった。
中身の大きさは21cmx21cmx5cmぐらい。とりあえず冷蔵庫に直行。

ちなみに冷蔵庫は中古の家に付いてきた昔の古いやつで、上から冷蔵室、冷凍室、冷蔵室の3段の作り。下の冷蔵室は半分ぐらいしか使えない作りだが、フィルムで一杯に。上の冷蔵室も1段は印画紙が専有している。食料品は間借りしている状態。

銀塩写真のSDGsは映画フィルム

 ISO400のフィルムのストックがいよいよなくなり、20年もののPrestoが4本、3年もののHP5+が一缶(100ft)となったので、買い足すフィルムを比較検討した。しかし、最近の値上がりは相当で、あまり選択の余地はなくなっている。品質重視だとHP5+,価格重視だとケントメアに絞ったが、どっちもどっちという感じ。Tri-Xは4巻買って一巻当たり2万2千円ぐらいで比較の対象にもならない感じ。HP5+も圏外近くまで値上がっている。早く1$=100円まで戻ることを願うばかり。

 そこでちょっと前に話題になっていた映画用のフィルムKodak Double-X(5222)を調べたところ、評判もまずまず。価格もBHPで各フィルム4巻で比較したところケントメアよりは若干高いが、イルフォードよりは3割弱安い感じ。Tri-Xのちょうど半額。また、ISO250ということで、ISO100のフィルムを併用する必要もないだろう。さらに、普通にISO400(レジナール1+50 11分)で使ってる人もみかける。ということで、今年度のフィルム購入予算をつぎ込んでKokdak Double-Xを注文。フィルムは10年以上保つだろうから、そのうち使い切るだろう。しばらく値上がりを心配する必要もない。調子が良ければ買い増して冷蔵庫に積んでおくのも有りと思う。Kodak Double-Xの難点は、400ft巻なので100ftに巻き直す問題があるが、どうにかなるのではと方法を思案中。

 現状でコスパが一番よい組み合わせは、Double-X(5222)をISO400で撮ってロジナール(1:50,20℃,11分)で現像する組み合わせだろう。軟調に仕上げたいときにはD-76(1:1,20℃,13.5分)で。ISO100だと、ロジナールは不向きのようで、D-76 (1:3,20℃,13分)若しくはミクロファイン(1:1,20℃,8分)となっている。販売面からも映画フィルムは写真フィルムより持続性があるのではないか?

(写真はKODAK Motion Picture Online Shopからのコピー)