LOMO LC-Aを入手

モノクロ時代には縁の無かった、トイカメラの双璧をなすLOMOを入手。たぶん普通に撮れば、普通に写るんだろうけど。しばらく天気が悪いようなので、試写は先になりそう。体重は250gでT3(235g)と同程度だけど、フォールディングはLOMOの方が良い。製造番号の最初の2桁が製造年とすると、1996年製みたいだ。結構状態は良さそう。モルトはまだだいじょうぶみたい。

HOLGAの絞り改造

暇だったので、Holgaの絞りを改造してみた。なおこの個体は2006年出荷品。

分解して、レンズの裏をみると、やはり絞りのリングが貼ってあった。これをまず剥がした。この作りをみると、最初から何かしらの、絞りリングを貼るのが前提になっているようである。F8では絵が甘いのかもしれない。

可動絞りは真四角で、絞りリングより大きい。

この可動絞りに、剥がした絞りリングを両面テープで貼り付け、うえから黒テープでカバーした。

 正面からの絞りの直径を測ると、開放時約7.2mm(60/7.2=F8.3)、絞りを入れた時4.9mm(F12.2)となった。これにより、仕様(F8とF11)に近い絞りが得られることになる。シャッタースピードが1/100sなので、開放時Ev値=12.8、絞りを入れてEv値=13.9となり、ISO100での曇と晴れの時のEv値にほぼ一致する。ISO400なら2段高めだが。iso400の『写ルンです』(Ev=14)をみるとネガなら許容範囲か?

【追記 2024/02/20】現在Holgaのレンズだけ取り出したものが発売されているが、これにも写真のように同様の小さい絞りリングが貼られている。したがって、このレンズも公称のF8ではなくF12ぐらいのくらいレンズとなっているようだ。これから考えると、現在売られているHolga120についているレンズも、このままという可能性が高い。その場合は、可動の絞りが効いているとすると、曇が開放でF12(4.9mm,Ev=13.9)で、晴れが絞りが効いてF16(3.7mm,Ev=14.7) or F22(2.7mm,Ev=15.7)近くだろう。

 また、デジタルカメラ用単体レンズには、ブラック・コーナー・エフェクター(BC,別売りでは525円)付きがあって、この場合は裏面にさらに小さい絞り穴の空いたシートを貼るようだ。これは、35mmカメラ(もしくはAPS-c)では画角が狭いので周辺減光効果が出ないのを補うためのようだ。しかし、この場合さらに光の量は少なくF20ぐらいと、Amazonでレビューしているユーザもいる。F12から2段近く落ちているようだ。これではディジタルカメラでもISO感度を上げないと撮影は難しい。中版の周辺減光効果を、同じレンズで、35mmカメラに期待させるのがおかしい。

Ev値の計算式

 Ev値がどんな計算式で計算されているのかエクセルで再現してみた。絞りは直径に比例しているようで、Ev値としては面積に比例ということで2倍している。この表から例えば晴れた日は、ISO100のフィルムを使えばEv値=14が得られる、速度1/250s絞りF8という設定が必要ということになる。ISO400のフィルムでは2段違うので、F16となる。
 夜電球の下ではISO400のフィルムで、F2.0、速度1/60ぐらいなので、Ev値は8前後となる。ISO100に換算すると、log(400/100,2)=2を引いて、Ev値は6前後。

 HolgaのEv値は、レンズに貼ってある絞りのリングを取って改造すれば、曇の日はF8(7.5mm)・1/100sでEV値=12.7で、晴れの日は稼働絞りF13.8(4.3mm)・1/00sでEv値=14.7なので、ISO100のフィルムでも曇の日にも撮れるようになる。ISO400であれば、さらに暗いところまで撮影可能となるが、快晴の日には向かない。もう少し狭い絞りリングを付ける必要がある。Ev値が測れる露出計があれば適当なフィルムと絞りが選べる。

TAXONAに使えるフード

 タクソナ用のフードを探したけどさすがに見つからない。Konica I型に使えるWaltzの32mmかぶせフードを試したら、ギリギリ入らずあきらめていた。今日だめもとで、枠を指で広げてみるとギリギリ入り、ちょうど良いサイズに。50mm用なのでけられる可能性はあるが、37.5mm24x24なのでだいじょうぶだと思う。

HOLGA(120)のF値の怪の真相

 カラーフィルムが使えるようになったということで、家にあるまだ撮ったことのない2台のHolgaを使おうと調べてみると、絞り機能についての色々面白い記事が。
 最近出荷のものは改良されているようだけど、2009年ぐらいまでのものは、「晴れ」と「曇」を切り替えても絞りが効かないというもの。原因は絞りの枠がレンズより大きいという、常識では考えられないもの。中を開けて、2.3mm程度の穴のある膜を貼っている方々がいる。もともとのレンズの開放時の大きさが4.35mm程度ということで、2段程度暗くなる。
 また、Holga用いるフィルムでは、ISO100やISO400でも「曇り」は写らないとしている記事がある。HolgaのレンズはF8でシャッタースピードが1/100sなので、Ev値は12.7ぐらい。で、「曇の日」のEv値は、ISO100で12、ISO400で14となり、計算通りなら写らないはずはない。
 しかし、レンズの開放時の口径を測った人の値では4.35mm程度と。これと焦点距離60mmからF値を計算すると、60/4.35=F13.79とのこと。このF13.8と1/100sでEv値を計算すると、Ev=14.3ぐらい。これらの計算法が正しいとすると、ISO100のフィルムでは差が2段を超え、曇の日の撮影は難しい領域となる。実際レンズが暗いために、「晴れた日の日中の屋外」ということになるようだ。逆にISO400のフィルム(晴れの日のEv値=16)やリバーサルの場合、上記改造で絞りが必要になる。

【追記(2024/02/19)】例えばコニカC35 38mmF2.8の開放の時の絞りの直径は約13mmなので38/13=F2.9とほぼ一致する。
 一方Holgaは、レンズ自体は大きいが、開放の時の絞りが4.3mm程度しかなく小さすぎる。焦点距離60mmでF8であれば、レンズ開放時の口径は60/8=7.5mmないといけない。レンズをみると確かにその程度の大きさで枠が見えるが、さらにその後ろに4.3mmの開放絞りの枠があり、それが光をさえぎっているようだ。確かにレンズの仕様はF8かもしれないが、最後の枠が穴を半分にして、2段ぐらい暗くしているようだ。なので、改造できるのであれば、最後の枠を広げ(or 除き)、稼働絞りに4.3mmの枠をつける必要がある。
 たぶん設計では曇の日はF8(7.5mm),EV値12.7で、晴れの日は、稼働絞り(4.3mm)Ev値14.7で2段絞り使う予定だったと思われる。製造に移す時点で、開放絞りの直径を、晴れの日の絞りにして作ってしまったのだろう。(なので、稼働絞りがいらなくなった。) 設計通りであれば、曇の日も撮れる、まともなカメラになっていたと思われおしい。

【さらに追記(2024/02/19)】Holgaの開放絞りを大きくする記事がすでにありました。レンズを明るくする この記事では「F8をF5.6に明るくする」としていますが、実際にはこれで、「F13.8が本来の仕様のF8に戻る」のだと思います。レンズの後ろに口径を小さくするリングが貼られているようで、それを剥がすことにより、仕様通りに戻るようです。この貼られているリングにより、稼働絞りが不要になったわけです。これが稼働絞りに絞り枠が無い理由です。このはがしたリングを稼働しぼりにつけるとF13.8になります。たぶん。これで、曇の日はF8(7.5mm),EV値12.7で、晴れの日は、稼働絞り(4.3mm)Ev値14.7のカメラになります。
 なぜこんな製造方法に替えたのか疑問が残ります。記事を探すと、すでにこの剥がしたリングを稼働絞りにつけた人もいるようなので、制作過程で、仕様では稼働絞りに接着するリングを、レンズに接着してしまった可能性が高いのではと思います。(とほほ・・)私のHOLGAでも、リングが中心からずれています。(なお、この記事ではレンズを基盤から外さずにリングを剥がしていますが、基盤からはずした方が安全です。)
 なお2009年(9月?)以降のHolgaは、稼働絞りが効くようになったという話ですが、現在の製品は、可動絞りにはさらに暗いF16(3.75mm)ぐらいの穴が開いている可能性が高いです。これは、レンズを前から見て、穴の大きさを測れば簡単に求められます。(F値=60mm/穴の直径mm)

最近のディジタルカメラの出荷台数

 2023年のカメラの出荷は単価のUpで売上は5%程度伸びたが、台数は4%程度減少したようですね。しかも、この円安を考えると$ベースでは落ち込んでいるのでしょう。合計では800万台を割り込み772万台とのこと。レンズ交換式では一眼レフの落ち込みをミラーレスで補って若干伸びてますが、2019年の824万台にくらべ2023年は599万台と回復する見込みは無い模様ですね。スマホに食われたディジタルカメラには明るい未来はなさそうです。最近は新しいアナログフィルム風フィルターとかがニュースになるようでは、ほぼ末期症状に近いような。そもそも20年来のAPSサイズがいまだに存在している時点で進化していない。

 2000年代初めの最後のアナログカメラブームの頃は、2,30万出せば、M6とかハッセルとかの新品が買えたけど、今どきのハイエンドのデジカメはその倍はする。3,4年で陳腐化する機種にそれだけ出すのは、商用ベースの人しかメリットはないだろう。メーカは計画的陳腐化だけが生き残る道なんだろうけど。

 携帯にカメラが搭載されたのが1999年。iPhoneの発売が2008年。携帯がスマフォに置き換わったのが2010年以降。ということで、デジカメと携帯はまだ共存できていたけど、1000万画素を超えるiPhoneが出てからデジカメが売れなくなったのが、グラフを見ればわかる。この20数年はカメラ産業にとって激変の時代だった。また、往年の写真雑誌も役割を終え休刊していった。

 さらに最近のフィルムの高騰により、フィルムの本数が減っていることにより、DPEで採算が取れる状況ではななくなってるでしょうから、DPE料金の値上げや、町のDPE屋さんの減少は避けられない。残るのは大手のショップだけになるのでは?

 いま、写真に興味がある人の形態を別けると、こんな感じか?
①最新のディジタルカメラに数十万投資できる層
②コンデジで撮ってる層
③スマフォで撮っている層
④高いフィルムと現像料金でも、撮る本数が少ないからやっていける層
⑤シネマフィルム&長巻フィルムと自家現像で本数をこなす層
 結局写真産業にお金を落とす人は増えそうにない。

リコー版写ルンです(LX-55W)をハードオフで

 ハードオフのジャンクのカゴの中にきれいな個体がまじってたので拾ってきた。古い電池が入っていてシャッターも切れない状態。でもたぶん動くでしょうということで、宝くじ感覚で、330円で御購入。実は太めのストラップがついていて、それだけでも良かった。フィルムの安い頃(300円ぐらい)は、このような機種も売れたのだろう。定価が1万5千円だったらしい。Lomoもにたような機能だ。
 
 帰ってから電池(単3を2本)を入れてみたがびくともせず。ネットで調べたら、レンズの蓋が電源スイッチだった。レンズの蓋を開いて、シャッターボタンを押すと、フラッシュまで点灯。ということで、たぶん写りそう。状態としては、フィルムタイプを確認するところに貼ってあるモルトがボロボロだったので、剥がした。確認窓は不要で光線漏れの原因にもなるので、あとでふさぐことにしようと思ったが、パトローネの押さえにもなっているような気もするので、張り替えた。他はきれいにしている。このカメラ単3電池を2本入れた状態で266gとそんなに軽くはない。

 基本「写るんです」だと「晴れ」用の一つの組み合わせしか無いが、LX-55Wでは速度と絞りが4段階でプログラム(1/50sF4.5, 1/100sF4.5, 1/50sF11, 1/100sF11)されているらしく、明る所のF11だったら普通の写りになることを期待。ISOは100と400のDXコードで自動設定のよう。しかし、晴れた日にはISO400では無理そうな気もする。(カラーならだいじょうぶ?)レンズは3群3枚玉のF4.5。シールが貼ってあるように一応生活防水らしい。Date機能もつているが、2020年前までの表示しかしないらしい。Contaxなんかでも同じだ。

 写ルンですのISO400は、『絞りF10、シャッタースピード1/140秒』らしいので、どうにかなりそうだ。ネガフィルムのラチチュードの広さを利用しているようだ。明るい所はオーバ目だが、暗い所でもF11で対応できる可能性がある。逆にISO100では暗いとF4.5の開放で撮ることになり、近くしかピントが合わなくなる。このカメラ、フラッシュの強制OFFの機能は無いので、あまり使うことはなさそうだ。

カラーネガ写真&現像を始めて1ヶ月たった感想

 1月15日にVision3 500Tの初撮りをしてからはや1ヶ月。4本の撮影と現像をした感想。

 カラーネガの現像というのは温度管理が大変でハードルが高く、またポジに及ばないという偏見からこれまでやってこなかったが、 意外と簡単で、その結果もポジに近いものが得られることが分かった。『カラーネガは温度管理がシビア』というのも都市伝説に過ぎず、意外と許容範囲が広そうだ。低温調理器という、ぐるぐるタンクを回す機材をYoutubeで見かけるが、個人の現像だと全く不要だ。シネマフィルムのリムジェット層もダイソーの重曹で簡単に落とせる。白黒現像をやっているのであれば、その延長線でなんら問題ない。

 また、カラーネガを始めるにあたって予備調査の結果次のものを購入していた。
①カーラーネガフィルム コダックVision3 500T(タングステンフィルム)
②タングステンフィルムの昼間撮影用の85Bフィルター
③レタッチソフト(Silkypix)
 タングステンフィルムで昼間撮るには85Bフィルタが必要という情報をYouTubeで得たが、結局フィルター無しで撮っても、GT-X970にScan付属のソフトで調整できていた。85Bフィルタは結果的に不要だった。(ただし、プリントに出す予定があるのなら必要かもしれない。) 200Tや500Tの作例で青色にころんだものを見かけるが、単に露光不足ではないかと思う。 【追記】200Tや500Tの作例で青色にころんだものは、Scanに付いているソフトの問題で、GT-X970の場合には自動で修正してくれていた。SilverfastというScanソフトはタングステンフィルムに対応しておらず、青みの調整はしてくれないので、85Bフィルターを付けるのが無難。

④Marix C41カラーネガ現像キット(シネフィルム用にECN2現像キットもあるが、C41の方がコントラストが良さそう)
⑤リムジェット除去用の重曹(ダイソーで買える)
⑥リムジェット除去用のコットンのウエットシート
⑦現像液用の1Lタンク(複数)
⑧デジタル温度計
 (ディジタル温度計は不要かもしれないが、便利は便利。高いものでもない。)

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 without 85B filter Vision3 500T (ISO400設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】これはGT-X970付属のソフトで読み込んで調整したもの。

こういうものでも、デジタルカメラで撮ると明暗がつかず、はっきりくっきり撮れてしまうので絵にならない。白黒以外にカラーも撮ることで気分転換にもなる。

V3 500Tの85Bフィルターの必要性の検証

 カラーネガ現像4本目の今日は85Bフィルターの必要性の検証のため、フィルタを付けていないT3で撮ってみた。結果としては、スキャナの読み取りソフトとSILKYPIXの自動調整で、85Bフィルタは無くてもだいじょうぶみたいだ。なので、カラープリントに出さない限りはフィルター無しでも問題はないみたい。これで24×24カメラでもカラー写真が撮れる。
 ISOはやはりプラス補正で400程度にしたほうが色乗りが良いようだ。
 散歩写真(カラー4本目) 

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 without 85B filter Vision3 500T (ISO400設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】(白飛びがあるので7分ではまだ長いのかも。)

春近し

【Contax T3 Sonnar 35mmF2.8 with 85B filter Vision3 500T (ISO500設定)  Marix C41現像キット 7分@32℃】

 国分の図書館に本を返しに行くみちすがら、もうれんげが咲いてました。Vision3 500T 2本目の現像。今回はISO500の設定。現像手順は1本目と同じで32℃7分、再現性はだいじょうぶなようだ。散歩写真
 しかし、同時に現像した3本目には光線が入っていた。パーフォレーションが写っているので、たぶんダークバッグでの作業中に入ったのだと思う。カメラ本体を別途チェック予定。

 【追記】白黒ネガで試写してみたが、カメラ側には問題は無かった。あの光は、パトローネではないだろう。やはりダークバッグでの作業と思われる。